第33回 箱根W1ミーティング(2018.6.13)

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ついにやってきた箱根W1ミーティング、全国津々浦々からWに乗るエンスージアストが集結する一大イベントです。W650に乗る頃から参加してみたいなと思いつつ、機会を得ることができないまま10年弱、ついにW1SAに乗って参加することができました。

前日は群馬から来てくれたMくんが拙宅に前泊し、翌日のミーティングに向けてささやかな前夜祭を楽しんでいると、昼間お世話になったT.R.CompanyのGさんから「明日は7時に海老名SAに集合でいいですか~?」との連絡をいただきました。あれ?Gさんも行けるんですか??

 

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というわけで翌朝7:00に東名海老名SAに集結した3台。予報通りずっしりと重い空模様ですが、幸いここまで雨粒を受けることはありませんでした。朝食を済ませて小田原厚木道路で箱根方面へ向かうも、ここまで遭遇したWは海老名で見たW800か1台のみ…。

 

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嫌な予感がする胸の内を見透かすように、箱根新道に入るとシールドに水滴がつき始め、気温の低下と共に霧で視界が悪くなってきました。先行車のテールランプを頼りに芦ノ湖湖畔のコンビニまで辿り着き、暖かいコーヒーで暖をとっているとSNSに「本日中止」の文字を見つけてしまいました。雨脚こそ強くないものの、視界の効かないこの天気では開催が難しそうです。

しかしここまで来てしまったのだから、会場の十国峠レストハウスを覗いてから帰路につきましょう、という話になりました。同じように会場近くまで来た方や、現地で開催可否を判断した運営の方々もいらっしゃるかもしれません。

芦ノ湖湖畔から十国峠方面に向かうと視界はさらに狭くなり、加えて尾根を抜ける横風やテカテカに濡れた路面が集中力をゴリゴリ削っていきました。「あと何キロくらいなんすか~」とインカムから聞こえるMくんの声にナビを確認する頃、霧の向こうからWの排気音が聞こえてきました。

 

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会場に着くと私達の他に5~6台のWが到着されていました。「今日は中止みたいですよ」「ええー!今知りました!」なんて会話をしている間にも続々と近づくWの排気音。こんな天気でも皆さん笑顔で、このイベントを心待ちにしていたのが分かります。

また、思いっきり初参加の私達にも分け隔てなく話しかけていただいて、アウェイ感は全く感じませんでした。「こんな天気に、君たちも好きだね~」と話しかける先輩方も恐らく皆同類ではないでしょうか笑

 

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事前に案内のあった開始時間の頃には全国各地のナンバーをつけた車両がさらに集結していました。もうこれだけ見られたら中止でも満足だなあと思っていると「会場にバイクを移動してください」とのアナウンスがありました。

 

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公式には延期となりましたが、各地から相当な台数が集結したため、簡単なミーティングを開催していただける事になったようです。雨粒混じりの強風が吹く中、受付をしてきました。初参加の場合はメンバー登録をして、後で自己紹介があるそうなので少し緊張します。

 

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楽しみにしていたリプロ部品の販売もしていただけました!消耗品から純正部品の問題点を改善した部品まで、リーズナブルな値段で並んでいるので皆さん早い者勝ちです。

 

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これもこれも!と手に抱えていくと結構な買い物になってしまいましたが、どこでも手に入るものではありませんので有意義な買い物です!特に自家製タイミングライトは車載しておけば他の車両でも使えそうです。

 

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買い物に夢中になっている間にも次々と来場するWに、会場はこんな事になっておりました。ざっと数えて100台くらいでしょうか?

 

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さすがWミーティング、世界に数百台しか残っていないとされる貴重なW2TTが二台並ぶという贅沢な光景。

 

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皆さんの車両を見て気になったのが、数台に取り付けられていたオイルクーラーとFCRキャブレターです。冷却の厳しいW1にオイルクーラーは効果がありそうですから興味があります。そもそも熱的に厳しい季節は乗り手の方が先に参ってしまいそうですが…

純正外キャブ組としてはFCRの存在も気になるところです。純正のミクニはボディが流通していないですから、修復できない不具合があった場合は新品で買えるキャブレターであるCR、FCRあたりが選択肢になってきます。私のWは信仰上の理由でAMALを装着していますが、FCRは装着率の高さから、一定の評価と実績を得ているようです。どんな感じなのか気になりますね。暑さ対策と思われる革製のオイルタンクカバーも良いですね。

 

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10台以上の参加があったWのご先祖メグロ組の皆さん。そんな中でAMALを装着している方がいらっしゃいました!…というかこのモノブロックは純正キャブなんですね。先日AMALシングルキャブ仕様に衝撃を受けたばかりなので、これもどんな乗り味なのか気になりますね。

 

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ポリス仕様のW1Sはフレームまで白いんですね。サイドカバーの「POLICE」の文字に緊張感を覚えます。

 

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タンクに貼られた手書きマップが最高ですね。各種スマートデバイス進化へのアンチテーゼとしてこのような使い方も雰囲気あっていいですね。今度一度真似させてもらおう。

 

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磨き込まれたピカピカの車両も素敵ですが、オーナーと共に時間を重ねたであろう車両は芸術的ですらあります。タンクのあせ具合が最高ですね。

 

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普段滅多にお目にかかれないWのサイドカー仕様も数台見ることができました。昔、茨城県の岩間で行われたWミーティングで見た以来でしょうか。欧州車に負けず劣らずの雰囲気が抜群ですが、運転がちょっと難しそう…

 

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遠方の方は札幌、旭川、長崎、佐世保と、いかにこのイベントがWオーナーの間で楽しみにされているかわかりました。レースもそうですが、本気で遊ぶ大人はカッコいいですね。

 

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雨が本降りになるとともに流れ解散となり、我々も雨雲から逃げるように箱根の山を駆け下りて帰路につきました。昼食に寄ったPAには同じように箱根から帰ってきたWがたくさん。主催の会長や、某S誌のYさんとお話させていただきました。

数十年続いてきたこのようなイベントを切り盛りするのは本当に大変な事だと思います。採算度外視で作られているというリプロ部品も、車両維持のノウハウも、そのような文化があってこそのものであり、私のような若輩者はこれまでに築き上げられた巨人の肩の上にいるわけです。私たちも微力ながらも次の世代に継いでいけるよう、この文化を大切にしていけたらと思いました。