大自然を駆け抜ける北海道ツーリング 6日目 (網走~知床~中標津~帯広)

網走の街で大雨をやりすごした翌日です。前日の予報で天気の回復を確認してから気力も復活。丸1日足踏みしてしまった分、狂ったように走らなくちゃね!

というわけで東横インのフロントのオネーサンに最速チェックアウトの時間を聞いてから就寝。5時からチェックアウトできるんだって!その分早起きしなくちゃならないですが、全く問題なく3時に起床。身支度したり荷物まとめたりして、5時ぴったりに網走を出発。

この日の予定は網走〜知床〜中標津〜屈斜路・摩周湖〜帯広という無謀コース。
前回記事が地味だった分、今回は写真多めでいきたいと思います。

ラムサール条約登録湿地 濤沸湖

に、着きました。・・・着きましたというか、2日前、網走に向かう途中に横を通り過ぎて、この日また横の道を通ったので寄ってみたのです。ラムサール条約ってのは水鳥の住む湿地を大切にしましょうって条約だそうです。関東だと尾瀬とか奥日光とかが登録地だそうで。

ご覧の通り、鼠色の重たい空の下、バカみたいに広い湿地が広がっているのです。青空ならまだしも、イマイチぱっとしないなあ。

馬がたくさん放牧(?)されてました。馬の足下の赤いのはなんだろう?と思ったら全部ニンジンでした。馬と言えばニンジンという固定概念が生み出したのか、とんでもない飼育風景ですね。さすがに馬も飽きるだろうに。

こういう場面でもっと寄れるカメラがあればなあと思いながら、次に進みます。

網走から知床へは国道244号斜里国道を東へ走ります。
途中「シーサイドライン」みたいな名前の付いた道があってかなり期待したんだけど、こんな畑ばっかりの道で完全に騙されました。

世界遺産 知床

斜里駅前のセイコーマートで朝食。でっかい手作りおにぎりってのがあるって渡道前に聞いてたから食べてみたかったけど、まだ開店したばっかり(6:00くらい)だったのでできてなかったみたい。ジャンクな総菜パンと缶コーヒーで胃を起こしましょう。

朝食を済ませて走り始めると小雨がシールドに当たるものの、雲が凄い勢いで流れて天気がどんどん回復してる。けど海から吹き付ける風が寒い・・・。

確か知床の入口には有名な滝があったはず。

チーン。立ち入り禁止。

目の前に凄い迫力の滝が見えるのに・・・。残念無念。海の近くなのに滝があるって本土の人間からするとけっこう珍しくない?こういうところって他にあったかな。知床には海に直接注ぐ滝が他にもあるみたいです。

気を取り直してウトロの町へ。ガソリン入れて、道の駅で休憩。
ビダビダうるさいハーレーが来たのですぐに退散。

知床峠へ。

あれ?あんなところにクルマが路駐してる。何かあるのかな?

道端に鹿さんがいてワロタ。全然逃げる気配無いし。

山からは湯気が出て、なんだか神々しい雰囲気。

しかしまあ、神々しい程の山にはたくさん生活してる方がいらっしゃるわけで。クマ見つけてクルマから降りるとか正気じゃないだろ。見た目だってかわいいワケじゃないし。クルマならクマと遭遇してもなんとかなりそうだけど、バイクだったらゲームオーバーだね!死ぬ!

登れば登るほどに深くなる霧。これはもしや・・・雲の中を走ってるのでは?
ということは、頂上まで登れば・・・

何も見えないよ!長野の雲海は美ヶ原の標高が2000mもあったから見られたんだよね。
いつもうまく事が運ぶと思ったら大間違いです。大自然は大切なことを教えてくれます。

本当は知床のビジターセンター?から知床五湖方面へのバスに乗って世界遺産を拝んでこようと思っていたのですが、バスの本数が多くないのと、一通りのルートで2時間くらい消費してしまうそうなのでパス。また時間のあるときにとっておきましょう。

センターにあったコースガイド的なホワイトボードによると、この五湖を回るコースにも結構クマが出るそうな・・・なんというハイリスクハイキング。リアルで森のクマさん状態になるなんて恐ろしすぎる。

根性無しはさっさと山を下ります。
峠を下ると羅臼。

羅臼・国後

道の駅「らうす」でほっけフライバーガーをいただきました。さっぱりしてて美味しい。要はタルタルソース掛かってれば何でもうまいんですけどね。食後は海産物を物色。盆にも帰らずバイクで走り回るどうしようもないセガレですが、せめてもの罪滅ぼしに花咲ガニとウニを実家に送りつけました。

店員さんは完全に観光客向けの土産屋のノリで絡んできますが、仕事は丁寧。実家へ送られた包みには手書きの便せんが付いていて、花咲ガニの美味しい食べ方が書いてあったそうな。文末には「息子さんは元気に羅臼を出発されました」と。僕こういうサービスに弱いんですよ。また行ったときはここで買おうかな。

試食のウニうまかったな・・・

お腹も自己満足も満たされたところで外に出てみると、なんと天気が回復してるじゃないですか!

やっぱりお天道様はよく見てるんですよ。

ちなみに水平線辺りに見えるのは北方領土の国後島。駅前の演説車じゃないけど、これだけ近いところにあると、この島が返還されない現状に改めて問題意識を持つことが出来た気がします。ヤバいのはこの島だけじゃないんだけどね・・・。俺がジジイになるまでこの国存続してるのかな。

近くの山の上から羅臼の港町を見下ろすことが出来ました。

もうこの辺から日が照ってきて、革ジャン+フリースだと汗ばむほどに。
知床までの天気は一体何だったのか。

中標津〜開陽台

羅臼から海沿いを走って、根室の手前で西に折れると中標津。(なんて適当な)

天気良すぎ。景色良すぎ。道真っ直ぐすぎ。
バイクが雨でドロドロだけどキニシナイ!

快晴の夏、北海道の農道をお楽しみ下さい。

道の脇はこんな牧草地ばっかり。許されるのならここでゴロゴロ昼寝してみたい・・・。

走りながら写真撮る練習してみたり。

よくバイク雑誌なんかに高速走りながら撮ったような写真が載ってますけど、アレ結構危ないですよね。こんなだだっ広い農道で周りに誰もいないからこそやりましたけど、慣れないと怖いことになりそう。第一、どう考えても二輪運転中に推奨される行為じゃないよね。

でも走行中の写真って魅力的だから、なんとかして撮りたいんだけど、安全に撮れるような手段はないのかな・・・。

なんてことブツブツ考えてたら開陽台につきました。

うわー!こりゃまたすごい所に来ちゃったな・・・。

雲と空と草。「地球が丸く見える」とか言うキャッチフレーズだったけど、確かにここまで地平線が見渡せる場所って無いよね。天気も最高で言うこと無し。

素晴らしい景色をお楽しみ下さい。

どうも小腹が空いたので、カフェ的なお店でホットドッグを注文。

この土地で育った材料で作られてるそうです。地産地消すなあ。
でも食べてるのは観光客か。

食後は天気の良い外でソフトクリーム。蜂蜜がかかっている珍しいタイプだったのですが、全然甘ったるくなくてさっぱりと美味しかったのを覚えています。全く贅沢ですね。

摩周湖・屈斜路湖エリアリベンジ

美味しい景色と食べ物で満たされた後はバンバン走りますよ!
開陽台から出て東にちょっと進んだところに有名な「北19号」があります。

まあ、もうお約束的な真っ直ぐロードです。少々食傷気味ですね。北海道ならこういう道は何カ所かあるのですが、この北19号の知名度だけ何故か抜きん出ているため、このアングルからの写真を撮ろうとする人で順番待ちの列が出来ていました。

さて、先日辛酸をなめた屈斜路・摩周エリアへはここからちょっと西。
両手に牧草地が広がる中をのんびり走ります。

今日こそは最高の天気で屈斜路・摩周・美幌峠を堪能できるはず!

が、

うーん、立派な積乱雲ですね。
北海道では遠くの雨雲がバイクで移動しながら確認できると以前書きましたが、この時間くらいから遠くの空に黒い固まりがウロウロしているのが散見されるようになり、少々心配です。

でもね、ここは日頃の行いですよ。
毎日ヘコヘコ蟻のように働いている下級労働者をお天道様は見捨てたりしませんでした。

快晴の摩周湖だーー!凄い青い!

美しい摩周湖をお楽しみ下さい。

摩周湖には複数の展望台があり、様々な角度から絶景が楽しめるのですが、僕はメインの展望台より第二?の方好きでした。第一は真ん中の島が遠いのと、人で混みすぎ。

よく聞く話によりますと、霧の晴れた摩周湖を見ることができた場合、男性は出世が遅れ、女性は婚期が遅れるそうです。出世欲などないので全く問題なし!

お次はあちらの硫黄山に向かいます。

さっきまでの美しい風景から一変。なんという地獄絵図。
温泉地によくある硫化水素エリアですね。臭くて足が疲れたのでさらっと帰ってきました。

あとは美幌峠をリベンジすれば今日は大勝利ですね。

あれ、なんか進行方向の雲行きが非常に怪しいですね。

結局、硫黄山からテントだらけの屈斜路湖畔脇を通って美幌峠が見え始める頃には見事な夕立にやられました・・・。今日はもう出番無かろうとしまったカッパをまた着る羽目になるとは。

ズブ濡れになってうちひしがれてた心と体に揚げイモのジャンクな油がズシリと効きます。
雨宿りの間に一個食べるのが精一杯でした。

どうせ通り雨だろうと思ってたけど、雨雲レーダーみたらピンポイント過ぎる。

結局屈斜路・美幌はリベンジにも失敗・・・ツいてねえ時はまあこんなもんか・・・。
雨があがったことを確認して「道の駅ぐるっとパノラマ美幌峠(笑)」から出ると慌ただしく展望台方面へ駆け上がる人たちが。何事?

雨があがるどころか虹まで架かってたよ!
サービス精神旺盛すぎるだろ。

来るときは素っ気なく夕立降らせた割に、帰ろうとするとこんな良い景色見せやがって、なかなか気難しいスポットです。

ここからが ほんとうのじごくだ

というわけで、この日はここ美幌峠から帯広市内まで行く予定だったのですが、軽く200kmくらいあるんですよね。xxkm/hで走ればyy時間で着くじゃん!というどんぶり勘定でここまで走ってきた僕ですが、そうそういつもうまく事が運ぶはずもなく・・・

十勝岳に沈む美しい夕日を眺め、目的地とした帯広市のキャンプ場に着く頃には辺りは真っ暗。ロクにキャンプ場の下調べを行っていなかったので受付時間も終了(笑)というかその前にテントサイトは満員御礼だったようです。甘かった・・・

近くにあった十勝川温泉の旅館に片っ端から電話してみるものの、どこもお盆休みで満室。
同じように宿無しになったドラッグスターの2人組に、近くの公園で野宿しませんかァと誘われるものの、iPhone使いは電源確保が急務なのです。寂しくてtwitterばっかりやってるからね。

結局5件目くらいで確保できた古びた温泉旅館に泊まることになりました。
バブルの時は活気があったんでしょうな・・・って雰囲気。物も人も。

いい加減、次回のロングツーリングからはもう少し下調べしたいと思います。

北海道上陸後走行5日目 網走→知床→中標津→帯広 行程図

この大まかに引いた線でも450km以上走ってるから、実際は600kmくらい走ってると思う。
楽しかったけど、スマートさの欠片も見あたらない。