日本の北端を駆け抜ける北海道ツーリング 5日目 (網走)

夕食に何食べるか考えるのすら面倒で、ひたすら眠った網走での翌朝です。この日の予報は台風の外巻きの雲の影響をモロに受けて、とうとう全道的に雨。避けられる土地はほとんど無い。

・・・・・。

東横インに連泊決定の上、24時間パソコンレンタルまでしてしまった。
お昼過ぎまでローカル局テレビを流しながらヤフオクでバイクパーツ物色。そして落札。

道南の八雲辺りでは線路の砂利が雨水で流されて電車が運休したりと随分酷いことになっていました。そういえば「俺は道南に行く」と言って小樽で別れたドカ乗りのHYTくんはどうしてるだろうか。

しかしこのまま雨の網走、東横インでヤフオクに興じるのも悪くn・・・

良いわけがないので街をフラフラすることにしました。朝からどしゃ降りの網走駅前は駅前だというのにすき家とローソンしかない・・・でもよく考えたら僕の実家の最寄り駅には自動販売機しかなかったのでバカになんて出来ないのです。

こんな天気の中水しぶきを上げて走るツアラーが数台。見上げた根性です。

堕落した午前中に網走名物を調べてみたところ「ザンギ丼」という食べ物があるそうです。名前だけ聞くと勝手な想像ばかりが膨らむネーミングですが、要するに唐揚げ丼とのこと。

飲食店の並ぶ網走中心街は、僕の宿泊した駅前から徒歩ではかなり距離があるので、徒歩圏内にあるホテル併設のレストランで食べることにしました。

というわけでついうっかり小綺麗なレストランに入ってしまったのだった。右側の団体さん、会話の内容が大学生だけどこんな良いとこ泊まってるのか・・・俺の東横インと交換しろ。

さほど待たされずにザンギ丼が到着。
結構細かいレギュレーションがあるみたいです。

《オホーツク網走ザンギ丼の定義》
網走産のオホーツクサーモン(カラフトマス)の美味しさを広く世の中に知ってもらうために開発した新・ご当地グルメ。網走産のオホーツクサーモンを天然の調味料である白魚醤油に漬け込んで揚げた「網走ザンギ」を北海道産のご飯の上にのせた丼(どんぶり)料理です。
《オホーツク網走ザンギ丼のルール》
1.正式名称は「オホーツク網走ザンギ丼」とする
2.北海道米のご飯の上に「網走ザンギ」をのせる
(量は自由とするが一個の大きさは揚げる前おおむね35mm四方とする)
3.ご飯の上にのせる具材は「網走ザンギ」のほかは自由とするが、なるべく地元産の食材にこだわる。
4.網走産の長いもと網走産の山わさびを添え(別盛り)、丼にかけて食べてもらう
5.網走産の貝(しじみ、ホタテ、あさり等)を使った汁ものをつける
6.小鉢をつける(内容は変更の場合あり)
7.白い器を使う
8.道産の間伐材を使った割り箸と共通の箸袋を使う
9.価格は1000円未満(税込)とする

網走ご当地グルメ- http://www.abakanko.jp/event/gotochi/index.htmlより引用

お味の方は、脂っこくなくて、ザンギの上にかけるタレ?がさっぱりしていて食べやすかったです。さっぱりした揚げ物って素晴らしいですよね。

お腹が膨れたところで次の目的地を考えましょう。といっても網走と言えば刑務所くらいしか思いつかないのです。ホテルを出たところに停まっていたタクシーに乗り込み網走刑務所を目指します。

俺『網走刑務所って地図見ると2カ所あるじゃないですか。どっち行った方が良いですか?』

運転手「2カ所って、そりゃお客さん片方は今現役で使われてる刑務所ですよ!」

俺『!!』

運転手「行くって言うのなら問の前くらいまでなら行けなくもないですk・・・」

俺『もう一つの方でお願いします』

完全に勘違いしていましたが、運転手さんの言うように僕が見たであろう地図上の2つの刑務所というのは片方が現在使用されている網走刑務所、もう片方が昔の網走刑務所を移築・再現した観光用の「博物館 網走監獄」だったのです。もう少しでリアル刑務所の前で記念撮影しちまうところだったぜ。

というわけで鼠色の空の下、網走監獄を見学しましょう。

これと同じ門が現在の網走刑務所にもあるそうです。早速蝋人形がお出迎え。
吉野ヶ里のトラウマが蘇る。

現在の網走刑務所内を再現している建物へ。
お盆休みだというのにあいにくのお天気なので家族連れがいっぱい。

昼休みもちゃんとあるし、残業もないし、その上生活費はタダか・・・とか考えてたら、隣のオッサンが子供に「刑務所の中のがお父ちゃんより良い生活してるな!」とか言っててワロタ。子供にそんな事言ってやるなよ・・・。

一人用のお部屋です。風呂無しトイレ付き4畳。思ったより快適そうです。

そしてこの博物館のメイン(?)五翼放射状舎房。有形文化財だそうです。
この獄舎は実際に昭和59年まで使用されていたものを移築復元だそうで、なるほど立派な建物。

長い廊下の両側にたくさんの部屋があるのですが、たまーにこうやって蝋人形が生活しているのが凄く怖い。こっち向いて正座してるヤツとかいてホント勘弁して欲しかった。リアリティがあって、いいですね。といえばそれまでなんだけど。

そして蝋人形好きには垂涎の風呂場です。完全に蝋人形恐怖症となった僕にはこの薄暗ささえも恐ろしい。

と、なんだか蝋人形の恐怖ばかり書いてしまった感がありますが、紹介した以外にも当時道内の開拓に駆り出され、身を粉にした当時の人たちの話など、ためになるコンテンツも盛りだくさんでした。特に北海道の道路を楽しく走り回るツアラーは、その道の有り難みを少しでも認識するために足を運ぶべきだと思いました。まあ大体の人は来ると思いますけどね。

帰りもタクシー呼んで、夕食は駅前のすき家で済ませて、来る翌日に向けてさっさと寝るのでした。そう、翌日の予報は晴れなのです!

この日の走行距離:0km