弱ったバッテリーでは回らないセルを放ったらかしにしてキック始動ばかりしていた影響か、キックギアが空回りしてエンジン始動ができなくなってしまいました。
ラビットS301のキック空回りについてWEB検索すると、キックギア(キックピニオン)の中にあるスポンジ状の部品が経年劣化することにより、ギアのワンウェイ機構が機能しなくるようです。スポンジの摩擦力?でワンウェイクラッチ機構を作っているんですね。ラビットS301では比較的定番の補修項目のようで、WEB上では諸先輩方のノウハウが蓄積されており助かりました。
しかし、こういった個人レベルのノウハウは大手ブログサービスやレンタルBBS上に記述されている事が多いので、サービスが停止したら貴重な情報が消滅してしまう可能性もあります。そう考えるとアーカイブの持続性はペーパーメディアの方が好ましいわけですが、流通できる紙媒体に記録する労力を一個人が持つのは難しいですから、なんとも難しい問題です。
話が逸れましたがサイドカバーを外して、タンデムステップも外します。長い時間固定されていた旧JISネジがいい感じに固着してドライバーを回す手にも汗がにじみました。
キックペダル側を支えているステー?もボルトを抜くとキックペダルを避けてファンシュラウドにアクセスできるようになりました。
ファンシュラウドの固定ボルトを外すと、クランクシャフト末端にあるキックギアへアクセスできました。
ギアはスナップリング(サークリップ?)で固定されているので、これを外したいところでしたが、専用工具がないと辛かったです。頑張れば精密ドライバーで外せそうですが、ここは日頃の行いを省みて、急がば回れという事で工具を調達しました。
スナップリングを外すと、キックギアが外れます。ギアの内側にあるローラーベアリング横のスペースにスポンジ状の部品が詰めてあり、これがローラーベアリングを押さえることでワンウェイ機能を作っているのですが、跡形もなくなっておりました。スポンジ素材じゃあ耐候性もないだろうし、なんでこんな大切なところに…と思う一方、簡単にアクセスできる場所に配置されていることから、定期的にメンテナンスが必要な部位であると考えるべきかもしれません。
ホームセンターで適当に見繕った硬めのスポンジを6mm×6mm×10mmにカットし、ローラーベアリングとの隙間に詰めてみました。
キックしてみると確かな踏み心地!数回のキックでまた元気にエンジンが始動してくれました。ファンシュラウド全開で試走してしまいましたが、これはこれで素性不明車両な雰囲気があります。
単純な機構でも自分の手で直せたという経験は良いもので、心地よい達成感があります。整備のスキルアップはネジ一本の経験から、という言葉を信じて、今後も精進していきたいと思います。