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2018年 北関東旧車会チャリティー部品交換会



週末は毎年恒例の北関東旧車会連合による部品交換会に行ってまいりました。これで2013年からほぼ毎年の参加になります。

去年の様子:
2017年 北関東旧車連合会チャリティー部品交換会 | Scientist on the motor

 

記憶が正しいか分かりませんが、例年であれば明確な開催時間が指定されず、夜明けとともにスタートという事になっていました。しかし今回事前の告知によると一般開場は6:00からの事でした。

 

早い者勝ちを競うほど狙った目標があるわけではなく、あのお祭り雰囲気が目的なので6:00現地到着を目標に出発しました。それでも神奈川からは4:00出発…。

この季節は朝晩の気温の変動が激しく、適切な服装が難しいので調節しやすいよう厚めに重ね着し、下道で都内を抜けて外環へ。川口から東北道に乗り換える頃には寒い寒い。油断したスリーシーズングローブが耐えられず、指先がかじかむ始末でした。

 

二年前はもう少し北の渡良瀬遊水池の土手側が会場でしたが、今年は公立体育館のある広い敷地が会場でした。やはり年々参加者が増えて、出店スペース、駐車スペースの確保が課題のようです。

 

予定通り6:00丁度に到着したにもかかわらず、会場はこの盛況ぶりです。到着と同時に偶然出会ったのは埼玉が誇る同世代エンスージアストのZさん。もう既に両手に鉄クズ(失礼)を抱えて満足そうな表情を隠しきれない様子です。

 

お馴染みのお店から、掘り出し物価格のお店まで、相変わらずバラエティに富んだ品揃えで、何も買わなくても楽しめます。

それでもせっかく来たのだから何か欲しいな、と思うとなかなか難しい。ブルーシートの上に雑然と広げられたパーツ類から、その出店者がカバーする大まかな車種・ジャンルを想定し、自分の車種に適用可能かを判断→守備範囲内であれば目ぼしいものがあるか探索、あれば値段を聞いて、品物の状態と市場価格とを天秤にかけて財布と相談。という処理を数十秒で繰り返し行なっていくわけですから、結構頭を使います。早い者勝ちっていうところも緊張感を盛り立てますよね。

 

YAMAHAの2stレーサー?

 

今回やけに出品数が多かったTACTは1万円でした。

 

ラビットハイスーパーはレストアベースで4万円。「サンマルよりハイスーパーのが速えんだかんな~。あっ!兄ちゃん昔俺からラビット買った人だんべ?」どうやら人違いでしたが、こうしたやり取りも部品交換会の醍醐味です。

人気のOHVカブは相場通りの高騰ぶり。レストアベースで15万円とか…。

 

実用自転車もたくさんありました。

 

今回の会場で一番惹きつけられたのがこのメグロレーサー。なんとお値段55万円!乾式クラッチに大容量のブレーキドラム、チェーンスプロケ周辺は自作だそうです…。かつてはクラシックレースに出場された経験もあるそうですが、出力と耐久性の面で難があるとのこと。でもメグロのレーサーなんて初めて見ました。シブくて格好いいですね。

このレーサーの隣にいた方は、これまでメグロのほとんどのモデルを所有しているとのこと。メグロにはかつてVツインの水冷エンジンがあったというお話は初めて伺いました。お名前も伺うことができましたが、やはりその界隈では有名な方のようです。売り物以外にも貴重なことが転がっているのが部品交換会ですね。

 

ひと通り見終わる頃には敷地の外まで出店されていました。また、駐車場所に難儀するほどの混雑だったようで、車の移動を呼びかける声がひっきりなしに響いてました。これだけ集まっちゃうと敷地が広くても厳しいようです。

 

駐輪場の部

駐車場、駐輪場も楽しみなのが部品交換会。皆さんひとクセあってカッコイイ車両ばかりです。

 

以前は9時を前に撤収する人が大半でしたが、売れたら新しい商品を並べ替えていくスタイルもあるようです。こちらのS301はこれから展示される模様でした。いくら位で売りに出たんでしょうね。

 

今回の部品交換会に参加した大きな目的のひとつが、数年前にこの北関東旧車会が主催するイベントを教えてくれたYさんに挨拶をすることでした。宇都宮旧車会の運営に携わるお父さんの手伝いを、という事で当時通っていた学校にイベントのポスターを貼ろうとしたところ「そういうの大好きなやついるよ」と声をかけたのが私の学生時代の恩師で、紹介されたのが私なのでした。

Yさんに教えていただいた部品交換会で早速ラビットを買ってしまい、その後嬉々として旧車沼に沈んでいく私の姿は過去の記事を参照ください。

そんな私の重要なターニングポイントを作った方に挨拶もできないままでしたが、今回タイミング良くお会いすることができ、光栄な事に運営テントで色々な方とお話することができました。詳細は割愛しますが、枚挙に暇がないほといままでバラバラだった点が線で繋がるような、不思議な縁を感じざるを得ませんでした。

 

会場を散策中には「数年前より良い出物が減った」「ネットオークションの相場通り」「業者ばっかりになった」なんて声が聞こえてきました。

ここ5年間参加している身として確かに同意する部分もありますが、インターネットで情報の共有が容易になったこの時代では「知る人ぞ知るおいしいイベント」を行うことはほぼ不可能です。

しかも今後市場が拡大する見込みの薄いこのジャンルで、後の時代に文化を残すためには少しでも多くの人にイベントを知ってもらい、楽しんでもらう事が重要です。人が人を呼び「あの場所なら良い買い手が見つかる」となれば良い物も集まるはずです。先細りが不安な旧車趣味、高度になるネット社会においてはこの方向で文化を残す事が一番リーズナブルなのではないかと考えています。

気がつくと運営テントの中で難しい顔で考え込んでいるのは私だけで、周りの皆さんは楽しそうに「お客さん増えてよかったね」と笑っていました。イベントスタッフというよりオートバイが大好きな親戚のおじいちゃんと孫と、お父さんお母さんで運営されているようなとてもいい雰囲気の運営陣、そんな人たちがいるからこそ、素晴らしい文化が受け継がれているのだと感じました。ご縁があれば私もいつかお手伝いできたら嬉しいです。

 

「今日は見学して挨拶するのが目的」とヘルメットの中で自分に言い聞かせたはずでしたが、脳内相場の半額以下で売られている品々を素通りするわけにはいきませんでした。

心地よい春の陽気を浴びながら、刺激的かつどこかアットホームな旧車文化を受け取れる春の部品交換会。得られるものはお買い得なお宝パーツだけではないと思います。今からまた来年の開催が楽しみですね。

 

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