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2011夏 W650北海道・東北ツーリング(3) 釧路湿原~弟子屈

4日目 8月16日(火)

テントを叩き続ける雨音で起床しました。本当は早起きしたかったけど、雨の中の撤収が億劫すぎていつの間にか二度寝していたようです。小雨になったところでようやくテントから顔を出すと、前日に挨拶したツーリング夫妻が管理棟の軒先で撤収作業をしていたので、僕もちょっと間借りさせてもらう事にしました。

いやー、雨は参りますねーなんて談笑しながら厚かましくもコーヒーまで淹れていただいてしまいました。「本当は昨日一緒に飲もうって声かけようと思ったんですけど…」って昨晩は完全に雨の中引きこもって青空文庫読んでましたからね…。もったいない事をしてしまいました。

とても気さくな方達だったので、冴えない天気と相まって出発がますます億劫になりそうでしたが、雨があがったところを見計らってキャンプ場を出発しました。

釧路湿原

キャンプ場は釧路湿原の北西の外れあたりに位置しており、釧路市街方面へ走る国道沿いだけでも湿原の雰囲気を感じる事ができます。写真は国道から一本入った道路ですが、ちょっと入っただけで360°ほぼ何も無い状態に。

そこからちょっと走って釧路市湿原展望台へ。
入館料460円也。

鬱蒼と茂った木々の向こうにはうっすらと湿原が広がるのが見えました。しっかし天気悪いなあー。

カメラ持って観光客丸出しながらどこか冴えない単身旅行者を不憫に思ったのか、説明係のオヤジさんがいろいろ教えてくれました。釧路は昔から漁業だけでなく石炭と製紙業が盛んなんだそうです。確かに桃鉄ではカニ漁業団の他にパルプ工場って物件があった気がしますが、石炭ってのは意外でした。

なんでも、釧路沖の海中には相当な石炭埋蔵量があるらしく、古くは大正時代から採掘が始まっていたんだそうですが、石油エネルギーへのシフトとコストの問題から、徐々に衰退していったそうです。しかし現在では技術研鑽の為の研究炭鉱的なポジションにシフトし、主に海外の炭鉱への技術提供に貢献しているのだそうです。勉強になりますねー。

また、写真にある木々はみんな背が中途半端でそこそこ若いように見えますが、これは全て製紙業が盛んだった際に伐採され、その切り株からまた伸びたものだからなのだそうです。湿原の中は流石に手付かずでしょうが、こんなところまで木を切りまくってたんだからイケイケドンドン時代の勢いは凄まじいものがありますね。

ちなみに展望台の中は釧路湿原の歴史や、湿原に住む生き物の生態についての展示があります。

水槽の隅からこちらを伺っているのは、釣り人なら一度は釣ってみたい幻の魚イトウ。臆病な魚などと知ったようなレッテルを貼られていますが、日本最大の淡水魚とされ、記録上では2.1mの個体が捕獲されたとのこと(Wikipedia調べ)。フライの腕が上がったら是非釣りに来たいですねー。

これで釧路湿原は満喫!と言いたいところなんですが、良く写真で見る「湿原の中を釧路川が蛇行する景色」ってのはこの展望台からは見ることはできず、市街地を抜けた湿原の東側の展望台から見えるのだそう。うーん、この後は根室方面へ進む予定なので進路から外れるし悩ましい…。

釧路市内へ

とりあえず腹ごしらえしてから考えようと、前日に行列で断念した釧路市内の回転寿司屋へ。メニューを見るとあまり北海道産のネタが多い訳ではないようでしたが、オススメされていた厚岸産のサンマの握りは確かに美味しかったです。写真手前のクジラの握りは下関でも食べたような気がするけど、やっぱりどこか特徴の無い味。強いて言えばあんまり魚っぽくない感じですかね。開店後30分くらいで入ったけど、すでに2、3組待ち客がいて、僕が食べ終わる頃にはさらに順番待ち客が増えていました。地元の人気店みたいですね。

回転寿し まつりや

昼から寿司なんて食って調子こいてるうちに外は本降りに…。コンビニの軒先で様子を見るものの、雨脚が弱まる気配も、雨雲が切れる様子もない。と、途方に暮れているところへ話しかけてくれた地元のオヤジさんと少し談笑。

「こんな雨降ってるんだから無理して走る事ねーよーw」

昔W1に乗っていたというオヤジさんの嫌味の無い言葉に背中を押され、根室行きは断念する事に。残り時間も微妙だし、天候も悪いし、無理して走っても楽しめなきゃ意味が無いですからね。というわけで湿原展望台で教わって行くか悩んでいた細岡展望台へ向かい、そのままこの日の宿へ行く事にしました。

釧路湿原 細岡展望台

釧路市街から展望台へのルートは単純なんですが、国道から外れた道が結構レベル高い。ツーリングマップルで言うと色の付いてない道です。片側1車線センターライン付きなのは最初の1kmくらいで、その後は急に道幅が狭くなったり、アスファルトが剥げはじめたり、いきなり踏切があったり、対向車が来たらギャーッ!ってなるような道を、力強く降り続ける雨の中、慎重に進むと…。

茂みを進んだ先に、一気に広がる釧路湿原の迫力は圧巻でした。…が、天気が悪すぎますね。この写真も肩に傘を挟みながらやっと撮りました。

広大な湿原の中を我が物顔で蛇行する釧路川の存在感が良いですね。次回は是非天気に恵まれた状態で訪れたいです。

釧路湿原~弟子屈

釧路湿原を満喫した後は、国道に乗って弟子屈方面へ。この国道391号もただの生活道路と思いきや、湿原周辺の変化に富んだ自然の中を走る抜けるので予想に反して非常に楽しめました。何度か立ち止まろうとも思いましたが、惜しむらくはこの悪天候…。やっぱりさっさと宿に向かって濡れた道具の乾燥と洗濯に精を出す事にしました。

この日は弟子屈にある「とほ宿」に泊まる事にしました。

「とほ宿」「旅人宿」って??
私たちの宿は「とほ宿」「旅人宿」と呼ばれています。施設や営業スタイルは民宿、ゲストハウス、ペンション、ユースホステル風と様々ですが、共通し ていることは「男女別相部屋の設定(ドミトリー)」「比較的安価」「お客さん(旅人と呼ばれる)同士の交流がしやすい」「定員が少ない」などが挙げられま す。すべての宿が保健所、消防署の営業許可を取得しておりますので、安心して楽しい旅にご利用ください。

とほネットワーク旅人宿の会・一人旅・ドミトリー宿・旅行情報・宿泊情報

つまりは旅人向けのリーズナブルな宿ってところでしょうか。

今回お世話になったの鱒やさんというお宿。その名の通り、道東方面への釣り客の基点宿として人気が高いようです。ご主人は特にフライフィッシングに精通しているようなので、いずれの目標である北海道キャンプ釣りツーリングに向けていろいろ教えてもらおうと企んでいたのですが、忙しそうだったのと周りの常連さんの輪が強くてなかなか機会が無いまま夜が更けていくのでした…。

同室になった人のイビキがうるさくてマジで眠れなかった…。今まで僕のイビキで迷惑かけてた皆さん本当にごめんなさい。

この日の走行距離:161km

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