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2018年Legend of Classic第1戦 筑波サーキット



今シーズンも全日本クラブマンロードレース Legend of Classicが始まりました。ありがたい事に今年も大阪の極東Club ObsoleteのJ君、DGさんのサポートとして第1戦に参加することになりました。

 

本格的にこのチームのサポートさせてもらって2シーズン目になりましたが、やはりレースの朝は早いです。7:00到着を目標に6:30に筑波サーキットに到着したところ、もう既にほとんどのスペースが埋まっておりました。昨シーズンはこんな早かったかな?皆さん第1戦で気合が入っているのかもしれないですね。

 

テントの設営を終えたら受付、装具チェック、車検と済ませていきます。今シーズンから?ヘルメットの基準が厳しくなったのか、J君が新調した現行BELLは継続使用が難しそう…。実質的にARAIしか選択肢が無いってのも厳しいですね。

毎回指摘事項を改良している車体にも新たな指摘があったりと、安全を担保するために運営の方々も真剣ですので、横に立ってるだけの私も毎回緊張します。

 

今回の極東Club Obsoleteは昨年#115から#150になったJ君のRobNorth Trident、#20はDGさんのNorton Manx、さらに今シーズンから参加されるKさんの#6 BSA DBD34 Gold Starが増えました。

また姉妹チーム?のジミヘンレーシングSさんのNorton Dominatorがテントに加わって贅沢な英車博物館状態になっていました。もう全部かっこよくて意味がわからないですね。

 

このKさんのGold Starのなんとかっこいい事…。Gold Starは初めて見たわけではなく、他の旧車イベントでも何度かお目にかかったことがありましたが、こんなに魅力的に見えるのはサポートで、距離が近かったからでしょうか。

シンプルながら現代にも影響を残しているであろうデザインを纏った車体と、エンジン始動で聞いたビッグシングルの咆哮がまた私の悪い虫を呼んでいるようです…買えないけど。

 

いつもお世話なっているT.R.Companyからは社長のロイヤルエンフィールドレーサーとCB93、Norton Commando、Ducati diana、H-Dの大所帯でした。

私のお手伝いも2シーズン目に入ったお陰か、顔を覚えて頂いた参加者の方やプレスの方々ともお話させていただきました。皆さん筋金入りのエンスージアストなので聞いてばかりでも飽きません。本当に悪い刺激の多いイベントですね…

 

そうこうしているうちにLOCクラスも予選の時間です。#20 Norton ManxのDGさんは一人だけ1分18秒台という好タイムで見事にポールポジションを獲得しました。前週に別マシンで大クラッシュした後とは思えないバイタリティです。

BSA Gold StarのKさんは暖機中に不調が見つかり、トラブルシュートのうちに予選はDNSとなってしまいました。決勝までに修復するそうなのでまたあのパワフルなエキゾーストを聴きたいです。

そして#150 Tridentはスムーズにエンジン始動し、焦らず最後尾からコースイン。我々サポート陣も一周目を見送ってパドックに戻ろうとしたところ、何故かメインストレートで空吹かし?何やってんだ?まさかギア抜けとか?

と顔を見合わせて話していると周りから声が上がり「うわー燃えてる!」と、1コーナー入口で立ち昇る黒煙が視界に入りました…一気に血の気が引きましたが、遠くJ君が歩く様子が見えたのでひと安心しました。

 

不幸中の幸いでJ君は軽い打撲程度で済んだようで良かったです。しかし一方のTridentは変わり果てた姿に…。

 

コースからパドックまで押して戻ると、心配された方々が駆けつけてくださって結構な人集りになっていました。そしてそのまま車両を囲んで原因の検証。

J君によると「最終コーナーの立ち上がりからスロットルを全開にしたところ、ストレートでスロットルが戻らなくなり、そのまま1コーナーでスリップダウン、タンクから漏れた燃料に引火して炎上」との事でした。

スロットルが戻らない?ワイヤーの取り回し?リンクの動作不良?スロットルボディの歪み?と、可能性を辿っていくと、スライドバルブが全開になった後も引き続けられることで引っかかってしまう状況が生まれるとの事でした。今まで起きた事なかったのにどうして今?とまだ疑問はありますが、直接の原因が分かりました。

 

幸い外装と原因のスロットル以外はあまりダメージがなかった様子で「これやったら外装とステップ直したら決勝行けるで!火も飛ぶやろ!」と応急処置にかかるDGさん。土壇場でも諦めずに突き進む姿勢にはいつも感服するばかり。

しかし分解確認したスライドバルブの動きは悪く、発火によるスロットルボディの歪み等の懸念や、今は感じない身体の不具合も心配ですので、大事をとって決勝はDNSとなりました。残念ですが、完調な身体あってのレースですからマシンもライダーもしっかり療養した上で復帰できることが優先ですね。

 

お昼を食べて一息ついたらすぐに決勝の時間です。DGさんの#20 Norton ManxとKさんの#6 BSA Gold Starが出走。

 

混走で戦前車も走るようです。1929年式SUNBEAM TT80と1939年式 TRIUMPH T100…こんなヒストリックな車両もサーキットを走ります。何だか古すぎて感覚が麻痺してきますが90年近く前の車両なんですよね。

 

DGさんはポールポジションからスタート。目の前に誰もいないっていうのは横にいるだけの私も気持ち良く感じる一方、慣れない緊張感もあります。ようやく付き合い方がわかってきた感のあるエンジンスターター君で一発始動!

 

2週のフォーメーションラップを経て決勝スタート!別クラスのYAMAHA TD3と抜きつ抜かれつを繰り広げましたが、惜しくも最後は総合2位でチェッカーとなりました。それでもクラス別では定位置の1位を獲得…相変わらずの強さを見せて頂きました。

KさんのGold Starも午前中のトラブルシュートの甲斐あって無事に出走しました。予選を走っていないので最後尾スタートとなりましたが、順調に周回を重ね、クラス3位という走りはVMX界で敵無しと聞いた通りでした。ていうかこのチーム強すぎないですか?

 

レース後はSUNBEAMのIさんもテントにいらっしゃったので、私も一緒に記念撮影させてもらいました。これ本当にレース車両ですか?ピカピカに磨いて床の間に飾っておきたくなってしまうような車両が全力で走っているところを見られるのがこのレースの魅力です。

「そら色々あるわ、俺だってここまで来るのに7年かかってんねん」

うまくいかないこともあれば辞めてしまいたいときもあるかもしれない、それでも続けられる環境と情熱を維持していくのは、レースに限らずなのでしょう。一時はどうなることかと思ったTridentもライダーもダメージは最小限に留める事ができましたし、これは続けろという意味なのかもしれません。きっと続けてくれることでしょう。

 

日が傾き始めてもサーキットに響くクラシックレーサーの咆哮は止まず、指折りのエンスージアストが集結する紳士の社交会はあっという間に表彰式へ。レースのレの字もない私も、毎回ここに来る度に英車が欲しくなり、サーキットを走ってみたいという欲求に駆られてしまいます。ああーGold Starカッコよかったな〜

次回はTridentが復帰次第でしょうか?またクラシックレーサーの勇姿を拝みにお手伝いできたらと思います。

 

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