福井・大阪ツーリングから帰ると地元栃木のバイク仲間、Wくんからツーリングのお誘いがありました。「いまビーナスラインにいるんだけど明日お前んとこ行ってもいい?」と旧友らしい藪から棒な連絡。以前、栃木からアクセスし辛い箱根伊豆方面を走ったみたいという話をしたことを思い出し、提案してみると二つ返事で決定となりました。
前日夜は拙宅に宿泊してもらい、朝はのんびり目の時間に出発しました。予想通り東名下りはそこそこの混雑で、海老名SAの駐輪場もご覧の通りの賑わいでした。これはちょっと嫌な予感がしてきました。
「定番の箱根伊豆コース」というリクエストでしたので、東名から小田原厚木道路、ターンパイクで大観山に登るときれいに富士山が見えました。
インカムからWくんの「うおおおフジサーン!」という叫び声。私も初めて来た時は間近に大きく広がる富士山の姿に感動したのを覚えています。何度来ても贅沢な気分になれますよね。
大観山はミーティングも行われていたようで、奥の駐車場は二輪四輪問わずに大混雑でした。賑やかで人気ツーリングスポットらしい雰囲気といえばそうですが、やはり連休中はすごいですね。
大観山から伊豆スカイラインを降りるまでは心配したほどの交通量はなく、山の上らしい涼やかな空気の中、気持ちよく流せました。Wくんは攻めたかったでしょうけど、初見の峠で頑張ってもロクなことはにはなりません。
冷川峠で伊豆スカイラインを降りて下田街道に出るまでの峠道、度々視界に入るわさび田が気になったので休憩を兼ねて寄り道しました。いつも一人で伊豆に来ると山を走ってばかりになり、こういう静かな場所でゆっくりする事を忘れていました。石垣を組んだ棚田を落ちる清流と、きれいに並ぶわさび、沢を抜ける風が気持ちよく春らしい雰囲気を満喫できました。
いい気分で下田街道に合流すると交通量が急増しました。連休ど真ん中ですからこれくらいは覚悟の上、とはいえ道幅の狭く勾配のある一本道の渋滞はロードサイド店舗への右折待ちが原因だったりと、ストレスの溜まるシチュエーションもしばしばあり…。
たまらず道の駅に避難してソフトクリームで頭も心もクールダウン。わさび田を楽しんだ後はわさび味ソフトクリーム…以前奥多摩で食べたわさびアイスは食べきるのに時間がかかりましたが、こちらはちょうど良い刺激と風味にアレンジされて美味しく頂けました。
天城峠を越えて、流れの悪い河津から下田へ進んで、以前大満足だった道の駅のお寿司屋さんで昼食を、と思ったらまだ12時台にも関わらずお昼の行列受付終了との張り紙があってがっかり…。
近くにある海鮮料理店も相当な行列でしたが、そこは海の幸に並々ならぬ情熱のある海無し県民、根性で30分並んで海鮮丼をいただきました。連休の影響はこういう場面で厳しく表れてきますね。
伊豆半島のほぼ先端まで来てお昼、そろそろ帰路を考えなくてはなりません。国道を使って東伊豆方面は大混雑のはずですから、移動効率を考えるなら元来た道を戻って伊豆スカイラインで北上するのが定石、なのですが、Wくんはせっかく初めての伊豆なんですから西を周って沼津あたりから東名に乗るルートの方が楽しめそうです。
石廊崎をパスして定番スポットの「あいあい岬」で休憩。天気が良いのは喜ばしいのですが、海沿いは横殴りの暴風で運転にも気を遣うほどでした。
海沿いの国道で松崎を越えて、西伊豆スカイラインを走る頃には陽が傾いてきました。頻度の多くなった休憩中、帰りのルートと混雑具合を確認してみると、
伊豆縦貫道は修善寺から、その先の東名も秦野中井あたりから横浜までしっかり渋滞している模様です。あれもこれもと欲張った結果とはいえ気が滅入ります。
気合い入れて行くべ!とお互いを鼓舞して、地平線まで続くように並ぶテールランプの大群に飛び込み、あとは動体視力と集中力の勝負…
連休中に首都圏近郊の観光スポットを目指してしまっただけでなく、あれもこれもと欲張ってしまったのはやりすぎでした。
インカムのバッテリーもとうに切れ、一日走った満足感と疲労感と、若干の反省を背負って無事帰宅しました。さすがのWくんも今から宇都宮に帰る体力はないだろうと、冷蔵庫からビールを取り出して反省会という名の二泊目です。
もうしばらくバイク充分だって?どうせ明日目が覚めたらまた乗りたくなるよ。