サイトアイコン Scientist on the motor

Z750four-不調の原因と計測

筑波サーキットへの道中に不調を感じ、その後の本庄サーキットでの走行でも今ひとつスッキリしない感触だったZの様子を見ることにしました。

まずプラグを見てみると…左から#4#3#2#1ぜんぶ真っ黒ですね。なんらかの原因で点火の状況が良くないと予想しておりましたが、より疑いが増しました。

とりあえずプラグを新品に交換して少し街乗りしてみることにしました。スロットルオフでのカンカン音の症状は、走り始めこそ出ないものの、数十kmも走るうちに再発しました。脇道に外れて空き地でスロットル開閉を繰り返すと、スロットルオフ時に白煙が出ていることがわかりました。これってよく見るオイル下がり/上がりによるオイル燃焼なのでは?だとすれば燃焼室の圧縮は低下しているはずなので、限界値以下であった場合は腰上オーバーホールの可能性もあります。そんなお金は急に用意できないので困りました。


帰宅して再度プラグを確認しました。BR8ESで数十kmの街乗りなのでほとんど焼け色は付かないと思っていたのですが、なんと#3は真っ黒で#2#4に比べると#1もなんだか変です。

ここでキャブレターのエアスクリューを確認してみると、なんと#3だけ全閉でした笑。多分以前に自分で作業した際、作業が中断してそのまま忘れてしまったのだと思います。素人バイクいじりだから仕方ない、とせずきちんとキリのいいところまで作業するよう心がけたいです。ともあれ、#3が真っ黒なのはこれが原因のひとつのような気がします。


次に初の圧縮測定をしてみました。プラグを外し、スロットル全開でクランキングして測定するようですが、残念ながらこのZのセルスターターはまだ機能しませんので、頑張って鬼キックしました。
測定結果は


#1:800kPa≒8.15kg/cm2
#2:850kPa≒8.67kg/cm2
#3:600kPa≒6.12kg/cm2
#4:850kPa≒8.67kg/cm2

となり、サービスマニュアルによると
・標準値=10.5kg/cm2
・使用限度=7.3kg/cm2
・シリンダー間の差異は1kg/cm2以内

なので、#3が使用限度を下回っている以外は圧縮圧力、気筒間差異ともに一応問題なしでした。測定値は標準値より低いものでしたが、メーター読みで45000km走行しているので相応の消耗具合と考えることもできそうです。やはり遠からず腰上OHは避けられなそうに思います。

しかし#3だけ圧縮圧力が低いということは、他の気筒とは別の理由で圧縮が低下している可能性があると考えました。よくある例としてはバルブのカーボン噛みが挙げられます。バルブのカーボン噛みであれば、市販の燃料添加剤で様子を見ることもできそうです。また、次に手軽な方法としてはタペットクリアランス測定とシム調整があります。距離を重ねていれば、その分バルブフェイスやバルブステム端の摩耗で、適切なクリアランスが確保できていない可能性もあります。
※なおこれらの考察は実体験によって得られた知識に基づくものではないことにご留意ください。

腰上OHは避けられないにせよ、まずは低コスト低リスクな方法で様子を試すことが最初のステップになりそうです。

モバイルバージョンを終了