Z750four-スターター周辺の整備

長年放置していた課題を片付ける時がやってきました。2014年8月に機能停止したセルモーター周りの修復です。当時は今以上に知識がなく、お世話になっていたバイク屋さんに現象面だけをお伝えし、とりあえず最低限走れるようにしてもらっていたのでした。

今になって振り返ってみると、恐らく走行中に何らかの理由でワンウェイクラッチ周辺がロックしてセルモーターが逆転。セルモーターがロックしてクランクも一瞬だけロック、それで一瞬後輪がロックした後にセルモーター使用不能になったのかな、と想像しています。

その後の作業はバイク屋さん任せだったので、現状どうなってるかを把握するため、ジェネレーターカバーを外そうとすると、カバーを固定しているプラスボルトがあっさり舐めました。潤滑剤、貫通ハンマーもダメで、場所が悪くエキストラクターもダメ、仕方なくドリルで頭を飛ばして抜き取りました。

古いプラスボルトはこうなる事が苦手なので、全部キャップボルトに交換してしまおう!と都合の良さそうなリプロダクトを探しても、みんなステンレス製なんですね。アルミ電食の心配がなかったとしても、鉄をステンレスに交換する事に抵抗があるので、ネジ屋さんでユニクロメッキのキャップボルトを買ってきました。

肝心のカバー内はセルモーターと発電に必要なマグネットローターだけ残っていました。スターターギアもなくなってるところを見ると、かなり酷い状況だったのかもしれないです。その節はお手間をおかけしました。


まずは必要部品のピックアップ。


(左下)13002007:純正836円
(左中央)92026091:販売終了→純正92026-092を使用528円
(中央上)21167003:純正25190円
(中央下)13194-003:純正7810円
(右上)PAMS製ワンウェイクラッチギアセンターベアリング1628円
(右中央)92075186:販売終了→ヤフオク中古1200円
(右下)21167002:販売終了→ヤフオク中古7000円

少し時間がかかりましたが、必要部品が揃いました。まだ純正部品が買えるだけありがたいですけど、半分は販売終了だったのでヤフオクとリプロで調達しました。思ったよりお金がかかり、当時の自分が先延ばしにした理由がよくわかりました。


クランク端のマグネットローター固定ボルトは汎用の廻り止めを使ってパワープレイで緩め、マグネットローター自体は汎用のプーラーを使えば外せました。あとは購入した部品を組んでいくだけ…ですが、パーツリストとサービスマニュアル、先人達のWEBサイトを参考に、確認しながら進めました。

ずっと気になっていたのがスターター側クランク端に「キー溝」がない事でした。もしかして、昔クラッシュさせた時に粉々になってキーが溝とツライチで埋まってるとか?も疑いましたが、そんな跡もありません。
決定的だったのは規定トルク(25N•m)で締結してもすぐに緩んでしまうクランク端のマグネット固定ボルトを交換しようと、PAMSの高強度ボルトを購入した後。そうそう、この強そうなM8ボルトなら…と手に取ると現車に使われていたボルトより細い。
どうやらZ1/Z2からKZ1000A2くらいまではこのM8ボルトを使っているようですが、その後は座金一体型のM10ボルトに変更になっているようです。Z750fourのD1はこの切り替え過渡期モデルなので、KZ1000系と同じ構造になっている可能性もあります。
参考:http://www.pams-japan.com/diary/?p=17458
参考:https://www.greengarage.jp/archives/937

クランク端のネジ径が大きくなれば、かけられるトルクが増えて緩みも少なくなるでしょうし、ネジ径が大きくなった分、クランク端にキー溝を作る余裕はなくなりそうです。個人の仮説ですが、緩まなければキーも必要なさそうですし、辻褄が合いそうです。

M10ボルトならもう少しトルクを掛けられますので、ネジ山にネジロックを塗って、とりあえず45N•mかけて締結してみました。翌朝スターターを回しても緩みは無かったので、純正新品のジェネレーターカバーガスケットを入れて、薄く液体ガスケットを塗ってからボルトで固定。このジェネレーターカバーガスケットもいろんなところからリプロダクトが出ていますが、紙製のものが多いみたいです。純正はマグネットローターにくっつくので金属製のようです。強そうな純正金属製の方が安心感ありますね。とりあえずは組み上がりましたので、オイル交換後に始動確認することになります。自分で作業しただけに不安9割期待1割です。