北海道・東北のロングツーリングから帰って夏の雰囲気も陰りを見せ始める9月の初頭、Ducati乗りのH.Wと草津方面へキャンプツーリングへ行く計画となりました。
自宅のある神奈川から集合場所の宇都宮まで当日移動するのはちょっと厳しいので、前日夜に栃木の実家まで移動しました。首都高に乗った途端に滝のような夕立に打たれてズブ濡れになったり、その後の走行で嘘のように乾いたりと楽しいオープニングでしたが、翌日は無事に宇都宮から日光方面へ。いろは坂を駆け上がると、ひんやりとした空気が心地よい奥日光エリアへ。平日という事もあって、観光客もまばらでした。
最高の天気の中、地元民だからこそなかなか見に行けない華厳の滝を見たかったのですが、秋を感じさせる乾いた空気に誘われ右手を捻るうちに通り越してしまいました。勢いの収まらぬまま中禅寺湖、戦場ヶ原、竜頭ノ滝と日光の名所をも通過してしまい、結局その先にある湯滝にてようやくヘルメットを取ることとなりました。
目の前を轟々と音を立て流れ落ちる滝は迫力満点でしたが、滝より気になるのは遠くで竿を振るフライ釣り師と山ガール風(笑)な修学旅行の引率の先生でした。最近は小学校の先生もお洒落ですね。
散漫な観光を終えて再びスターターを回すと、奥日光から金精峠を越えて群馬県へ入りました。その昔、スノーボードで散々通った沼田の国道を走りながら昼食スポットを探していると、ツーリングマップルにも赤字記載のある蕎麦屋さんを発見しました。
あれ?ここでいいんだよね?と、一見入りにくい雰囲気の漂う外観ですが、そんなところがチャレンジ精神を刺激します(失礼)。
十割そば尾瀬[スポット詳細]-じゃらん観光ガイド
看板メニューの十割そばに炊き込みご飯や天ぷらが付いて盛り沢山なのに手頃なお値段!意外に広い店内へと常連さんが次々やってきて、食事を終える頃にはにぎやかな地元の憩いの場になってました。そして食後はコーヒー飲み放題(だったと思う)、トマト食べ放題、極めつけはバイク乗りなら会計で50円返金された上に飴がもらえるというサービスの山。友達んちのカーチャンみたいなノリで接客してくれる気持ちのいいお店でした。
食後はのんびりとR120→R145→R353とロマンチック街道を走り、日が傾きはじめた頃にこの日のお宿「草津高原オートキャンプ場」に到着。
草津高原オートキャンプ場
国道から見落としてしまいそうな脇道に入り、そこからさらに不安になるような農道を走ったところにある静かなキャンプ場でした。料金は人間一人500円+バイク一台1000円くらいと決して安くはない設定でしたが、そこは草津温泉までバイクで5分少々という立地上仕方ないのかもしれません。
だだっ広いサイトにススキも生えて、吹き抜ける高原の風が最高に気持ち良かったです。のんびり設営を終えた後は、早速草津の温泉街へ繰り出しました。
くさつよいとこ一度はおいで
そういえば草津に来るのも学生のとき以来ですから、7年振りくらいになります。
あの頃はヤフオクで買った200万画素くらいのデジカメで一生懸命写真を撮っていた記憶があります。あれから7年も経つのか…と、この記事を書きながら写真フォルダを見返していたらしんみりしてきました。
思い出に浸るのも良いですが、折角ですからお湯に浸りに行きましょう。(上手い事言ったつもり)
やってきたのは「大滝乃湯」という温泉。キャンプ場で割引券がもらえたのです。大変広くて立派なお風呂でしたが、お値段もちょっと張って1000円也。観光ホテルの日帰り入浴なら安いくらいですが、無料の外湯がある草津ではちょっと割高感もあります。さっきからお金のことばっかりですね。
気分の良い風呂上がりに気の利いた夕食を、とフラフラしているうちにすっかり暗くなってしまいまして、客足もまばらな温泉街は次々に店じまいを始めてしまいました。キョロキョロしている横から差し出された温泉まんじゅう試食したらお茶まで出てきて「一服していきな〜」と。こりゃいいなと座ったら「んで、何買っていくの?」だなんて商魂たくましい観光地にある古典的なトラップで、気がつけばロクな食事ができませんでした。結局コンビニで買い込んだ食料と酒をバイクに積み込んで、テントに帰りましたとさ。
月明かりの下でジャンジャン酒盛り!なんて思ってましたが、予想外に気温が低くてビールがすすまない…。焚き火台があれば快適だったのかもしれないです。(購入の理由を探しています)
翌朝・・・
「国道最高地点で日の出を見たい!」とダダをこね、翌朝は4時頃起きて出発。あいにく太陽は雲の中から出てきてくれませんでしたが、そのおかげで薄く広がった雲が燃えるように赤く染まる日の出を拝む事ができました。
夜明けの澄んだ空気の心地よい冷たさの中、陽の光で赤く染まった雲の中を走るなんて最高です。あまりの赤い染まり具合に「終末がきた」とは友人の弁。
昨日走ってきた群馬の山々はうっすらとした雲の下。
水墨画のような風景を堪能できました。だなんて、誰もいない山の上で撮影できると思ったら大間違い!
バカ高いカメラと三脚を担いだ中高年写真サークルの皆様の多い事多い事。すれ違い様に僕のカメラをチラチラ見るのはやめてください!
ひとしきり朝のワインディングを堪能した後は、温泉街に戻って無料の外湯でひとっ風呂。一応真冬装備をして登りましたが、予想外に寒かったのです。
この「白旗の湯」は7年前に来た時も入った記憶があるのですが、とにかく熱い!おじさん好みの熱い風呂とかそういうレベルじゃない。ガマンして入ると明らかに皮膚がビリビリするのが分かるのです。
熱い熱い!と二人ギャーギャー言いながら浸っていましたが、後から来た自転車旅大学生風の兄ちゃんは「いやあ、確かに熱いですね^^」なんて言いながら普通に浸かってました。あまりにハードな風呂だったので、湯上がりに調べてみたところ湯温は45~48℃くらい、pHは2、遊離硫酸も入ってるし、まさに「硫酸どろどろなんでも溶かす」状態。でもラジウム温泉はみんなが怖い怖い言ってる放射線バンバン出てるし、ちょっと体に刺激があるくらいの方が良いのかもしれないですね。
テント撤収後は再び志賀高原道路から信州中野方面へ抜けて菅平高原方面へ。高原牧場的なところで美味しいお昼を、と思ったら意外とお店が見つかりませんでした。そんな中、途中の国道沿いで見つけた「MEL’s」というお店で焼きカレーを頂きました。内外装は結構手の込んだアメリカンダイナー風ですが、マンガの蔵書量もなかなか。
店の外には何故か世紀末仕様なトライクが置いてありました。
鬼押出し園
食事の後はR144/406で群馬嬬恋方面へ戻り、鬼押ハイウェーで「鬼押出し園」へ。
奥の雲に隠れているのが浅間山。完全に「鬼押出し」という名前の響きだけで選んだスポットですが、つまりは1783年の浅間山噴火の際に流れ出た溶岩を見学できる公園です。「鬼押出し」というのは「浅間山に住む鬼が押し出したもの」ってのが由来のようです。つまり腹を下して「俺の雲海が鬼押し出される」と言っていた友人の発言は誤用。
園内は観音堂を中心に構成されており、施設全体に漂うバブリーな雰囲気も味わい深いです。溶岩に差し込まれた無数の一円玉から気味の悪さを感じずにはいられない。
北を見れば嬬恋高原への広大な森林が望め、吹き抜ける高原の風が気持ち良い。森の中に浮かぶ観覧車は少し不気味…。すぐ近くには有名な浅間記念館があったのですが、ここまで延々タイトな峠道だったこともあり、そのまま帰ってきてしまいました。ちょっと勿体なかったかもしれませんが、次回のお楽しみにすることにしました。
合計走行距離808km
久々にゆとりのあるキャンプツーリングとなりました。やっぱ焚き火台欲しいなー。