ベストライディングの探求(つじ つかさ)

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ベストライディングの探求 | つじ つかさ

サーキットでのスポーツ走行を初めてから数ヶ月が経ったところでようやく読み終えました。これまではどこかで見た誰かのスタイルをぼんやりと思い浮かべながら走っていましたが、いい加減正しい知識を備えたいということで購入したものです。

表紙のデザインからもわかるように、80年代後半から90年代のレプリカブームの頃に書かれた本で、そのような車両で走る事を想定しているような文面も見られます。私の走らせるW1SAとはまるでジャンルの異なるオートバイですが、それでも技術の基礎部分は変わらないはずであろうと考えました。車両の性能は違えど、基礎的な動きには共通点が多く、いままでなんとなく行なっていた操作の理由や、今まで目にしていたライディングスタイルの理屈が理解できました。


細かな文面はやや時代を感じさせるものの、平易で口語的なのでスムースに読み進めることができました。しかし一方では車両の動きをイメージしながら読む必要があったり、「そういうものだ」と仮定して読み進め、後から自分の車両で検証することもありました。逆に言うと、自分でバイクに乗って走って初めて理解できたこともありました。
そんな中、この本で得た知識を実際に検証して納得の量を増やしていく過程にとても充実感を覚えました。今まで聞きかじりや見ただけで知ったつもりになっていた知識の点が、自分で行う検証によって線につながることはとても有意義なことであると考えています。


内容の概略としては、コーナー入口での倒し込みから切り返し、最後にコーナリング全体でのラインの描き方へと展開されていきます。ほとんど公道で行う事を想定して書かれていましたが、基本的な部分はサーキットも同様かと思います。
「良い研究は良い実験から、実験は良い仮説から、良い仮説は良い知識から」というように、良い知識を蓄積して、自分なりのライディングを追求していければと思います。

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