KAWASAKI W1SAが我が家にやってきた

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嫁さんに土下座して購入許可を得たW1SA、この2週間は恋い焦がれる思春期男子のように寝ても覚めても彼の事しか考えられず、フワフワと地に足つかぬ日々を送っておりました。

契約時に伝えられていた納車予定より少し早かったのですが、この週末を逃すとしばらく空き時間が作れなくなってしまうので、無理をお願いして先週末納車していただきました。Gさんお忙しいところありがとうございました。
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週末のT.R.CompanyとSR400の試乗

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W1SAの興奮冷めやらぬままT.R.Companyの駐車場へ出ると、この冬には珍しい陽気に誘われてか、次々とお客さんが愛車で乗り付けておりました。「ええ~あのW1もう売れちゃったの~!」なんて会話に恐縮しきりです。

さてそろそろ帰って嫁さんにまたお礼を言わないと…と思っていると、突然Tさんから「俺のSR乗ってみてよ。ノーマルに戻したから乗りやすいよ」と声をかけられ、急遽試乗会の運びになりました。確かにSRといえば昔に友人のカスタムにカスタムを重ねた車体に少しだけ乗らせてもらっただけだったので、ノーマルのSRは未体験でした。

ノーマルって言ってますけどめちゃくちゃセパハンじゃないですか。久しぶりすぎてポジションキツいですよ。「いや大丈夫だから、これデコンプね」キック一発で始動したエンジンはシングルらしいはっきりとした鼓動感を発しながらも、右手の動きにダイレクトに反応する軽い吹け上がりです。メガホンマフラーのエキゾーストノートもレーシーで気持ちいいいですね。そうか、マフラーもノーマルじゃないですね。

 

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セパハンでも車体が軽いので取り回しに困ることもなく、クラッチを繋ぐとするりと走り出しました。初め跨ったときにはこんなに柔らかいんですか?と感じた足回りはしなやかにストロークし、路面のバンプをスムースにいなしつつ、適切な情報を伝達してくれているのを感じます。

それにしても目を見張ったのはそのパワーの出かたです。使い古された言い回しですが、どの回転域からでもトルクを取り出すことができ、右手を捻るだけタコメーターの針が跳ね上がります。普段散々重いバイクに乗っている私にとって車体の軽さがショッキングであることは予想通りでしたが、足のしなやかさ、400cc単気筒というイメージをかき消すような力強さが衝撃的でした。

いつもの試乗ルートを一周する間、本当に楽しくて、さっきまで散々熱を上げていたW1SAのことを少し忘れそうになりました。このバイクで峠を走ったらすごい楽しいんだろうなあ…。

帰ってきて再度車体を見てようやく気づきました。キャブレターがCRじゃないですか!ぜんぜんノーマルじゃないじゃないですか!「昔の仕様からしたらほとんどノーマルだよー」との事でしたが、CRキャブのSRってこんな乗り物になるんですね。ウチのZもCRにしたらどうなるのかな…

以前友人に少し運転させてもらった時は乗り慣れないサイズ感と緊張でほとんど距離を走ることができなかったためはっきり分かりませんでしたが、軽量コンパクトな車体、しなやかな乗り心地、地面を蹴るような鼓動感…SR400が長い間名車として人気を博している理由がようやくわかった気がします。

 

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TさんとSRについてあれこれ話しつつ、隣にインジェクションSRが停まっていることに気付くと某S誌のSさんでした。ちょうどこの日は撮影日だったようで、お言葉に甘えて私もZと一緒に撮っていただきました。次の号に載せてもらえるでしょうか?

バイクを買いにきただけなのに、気がつけばすっかり長居してしまいました。このお店のお客さんはみんな目に毒な車両ばかりな上、話し始めると時間を忘れさせる方ばかりですので早めの撤収が肝要です。そんな居心地のいいお店に後ろ髪を引かれながらも、混雑の始まった五日市街道を帰路につくのでした。

 

KAWASAKI W1SAとの出会いとオートバイ感

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去年の夏頃からT.R.CompanyのG氏に見せて頂いていたW1SA、エンジンは腰下からミッションまで手が入り、キャブレターがミクニからAMAL 930に換装されています。ご厚意で何回か試乗させていただくうちにすっかり心を奪われてしまいました。

Z750four 3回目の車検とW1SA試乗 | Scientist on the motor

しかし現実的なところ、我が家は既にバイクが3台、四輪車が2台という趣味人以外には絶対に理解してもらえない状況になっています。嫁さんからも「これ以上バイクを増やすなら分身の術を覚えてください」と釘を差される始末です。つまりこのW1SAを手に入れるには、現在の車両と入れ替える必要があるのです。

何とも贅沢な悩みであることは理解していますが、すぐに結論の出せる話ではありませんでした。W1SAの立ち姿、エキゾーストに後ろ髪を引かれながら、いつも「もう少し考えさせてください」と言う他ありませんでした。

そんな週末、いつものように友人たちと酒宴を楽しみ、駆け込んだ終電で購読Blogをチェックしていると、T.R.Company社長のBlogに…

 

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Gメカ所有の「W1SA」
自身の手で、こつこつと各所に手を入れたり、改良を重ね、ようやく完成した愛と魂の籠った車両。そんな車両ですが、色々と訳があり、断腸の思いで手放す事にしたそうです。。。
先程、始動動画を撮りましたので、アマルキャブに変更し、ファイナルギア比も変更し、何処からでもトルク感溢れる力強い加速と走りが堪能できる上質な車両の、素晴らしいW1サウンドを聴いてみて下さい。

W1サウンドが心に響いた方は、お問い合わせくださいね~!明日から店頭で販売する予定です~!車輛の程度を考えると、かなりお値打ち価格で販売できるようです。このチャンスをお見逃し無く!
久々にエンジン始動動画撮りました。^^ TRカンパニー・店長の雑記帳/ウェブリブログ

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えええええええええ!!!売りに出ちゃう!!!!!!!!!どうしようどうしよう!

酔った頭をフル回転させてあれこれ考えました。買うには嫁さんの許可が不可欠、と言うか私のお小遣い口座は火の車なので、資金面でも絶対に許可が必要になります。車両を入れ替えるにしてもすぐに資金調達できるわけがないし、何と入れ替えるか決めてもいません。

もうこれはご縁が無かったという事なのかな…とも考えましたが、W1SAは昔から憧れていた上に、この車両は半年前から試乗させていただいていた縁のあるもの。それが目の前から去っていくのを黙って見ていられるはずがありません。

翌朝、おはようございますと同時に正座をして手をつき、
『お話があります』
「えっ?どうしたの?何かあったの?」
『バイクが…欲しいです…』
「…ふふふっ、いいんじゃない?」
『つきましては資金面でですね…』
「うんうん」

やったあああああああああ!!!ありがとうございますありがとうございます!!早くお店行かないと売れちゃうかもしれないから!と、脱兎のごとく自宅を飛び出してT.R.Companyに到着し、開口一番、

「おはようございます!バイク買いに来ました!!」

 

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こうして書き起こすとマンガのような話ですが、事実は小説よりも奇なり、一晩で決心して契約まで運んでしまいました。お店にいらっしゃった方々からは「よくそんな速さで買えたね〜」「奥さんに頭上がらないね〜笑」とお褒め?に預かりました。

全くもってその通り、嫁さんにはもう一生頭が上がりません。しかしどうして許してくれたのか?と聞いてみると「半年前から試乗させてもらう度に目を輝かせて私に熱弁してたから、遅かれ早かれ買うと思ってた」だそうです。理解のある家族は趣味人にとって最も重要な存在です。もう諦められている、のかもしれませんが…

 

元々ロッカーズ/カフェレーサーカルチャーをきっかけにして本格的にオートバイ趣味に足を踏み入れた私は、トラディショナルな国産バーチカルツインを載せたW650を愛車に選びました。その一方でWシリーズのルーツに興味を持ち、新しいバイク仲間たちの影響もあり、ブリテッシュモーターサイクルと国産旧車に惹かれていきました。

縁あって手に入れたのがラビットS301BとZ750fourでしたが、そんな名車を手に入れるとW3仕様を纏ったお気に入りのW650が何か違うもののように感じられ、ガレージで後ろ髪を引かれながらも彼の出番は減っていきました。そう、ルックスも走行能力も何一つ申し分のないはずのW650ですが、私にとって「憧れのオートバイ」ではなくなってしまっていたのです。

そんなW650に「憧れる」知人に後を継いでもらうことが決まり、外国旧車の一歩としてBMW R100RSを購入します。国産旧車にはない独特のスタイリングと存在感、高速ツアラーとしての性能、驚きと感動の連続でした。

そんな中、友人の応援で通うようになったのがLegend of Classicという旧車レースでした。Triumph、BSA、Norton、Matchless、Triton、Velocette…雑誌やWebでしか見たことのない名車が咆哮を上げサーキットを駆ける姿を見て、何かに火がついたような感覚を覚えました。

2017年Legend of classic第2戦 富士スピードウェイ | Scientist on the motor

しかし実際のところ彼らは簡単に手が出るような価格帯にはありませんし、今の私では荷が重いであろうと感じているのも事実でした。ビビって気軽にツーリングなんてできないかもしれません。

そんな中、G氏に試乗させてもらったW1SA、英車の流れを残したKAWASAKI W1に英国のAMALキャブレターという組み合わせは、国産旧車、英国旧車に「オートバイ像」を感じている現時点の私にとって最適解であると考えています。

 

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この記事の書き殴りっぷりでお察しいただけると思いますが、納車まで興奮冷めやらぬ日々が続いております。あの心躍り弾けるサウンドまであと少し、今はこの時間をじっくり楽しみたいと思います。