先週末は東京ビッグサイトで開催された東京モーターサイクルショーに行ってまいりました。いつも旧車ばかりに傾倒しているわけではなく、最新モデルも幅広くアンテナを張っていきたい!というのは表向きの理由で、壇蜜のトークイベントが見たいというだけの理由で足を運びました。
しかし、毎年地元栃木から足を運んでくれるW君と待ち合わせる頃には壇蜜のトークイベントは終わっていました…。会場周辺を賑わせている大勢の来場者は、その多くが東ホールで開催されているアニメイベントのお客さんで、西ホールで開催されるモーターサイクルショーとの規模の差を見せつけられるのは、残念ですが例年通りの光景です。
前日に流れていた情報通り、今回はどのブースもZ900RSを中心としてZ祭状態でした。まずはドレミコレクションのブース。キャストに4本出しマフラー、ウィンカー、ミラー、アンコ抜き風シートなど、旧Z風モディファイが楽しめそうなパーツがたくさん装着されておりました。個人的には4本出しマフラーが欲しいので現行の規制に適合しているのか気になります。
MK2風のモデルはなんとスーパーチャージャー付きでした!写真から切れてしまった角Zテールは違和感なかったように思いましたが、タンクはペイントだけ?なのかちょっと無理がある気がしますね。クランクからエンジン横にせり出したスーパーチャージャーはド迫力でした。しかし専門家の友人は「強度的に実用できるのかな?」とのご意見でした。どうなんでしょうね?
リプロパーツでいつもお世話になっているPMCブース。ピカピカのZ1と足元に並べられた無数のパーツが誇らしげでカッコいいです。
こちらも70’sルックのZ900RSが展示されていて、もうこんなZ2テールが作られていました。きれいに収まっていますね。フロントのイエローレンズも70’sファンには定番のパーツですが、初年度登録平成18年以降の車両は法令上イエローレンズでの公道走行は不可なので「装飾用」ってことでしょうか。
そんな細かい事を全部吹き飛ばしてくれるくらいカッコ良かったのがこの車両!これ最新の現行車ですよ!すげえ!!マフラーもぶった切りの4本出しが尖ってて最高です。どこまで実現するかは別としても、こういう夢を与えてくれるデモ車両は重要な存在ですよね。
その他にもBEETや、モリワキ、ヨシムラなどの有名チューニングメーカーもZを展示していました。往年のチューナーもZはお手の物でしょうから、待ってましたというところでしょうか。ヨシムラのエキパイのRが美しいですね…。
特にヨシムラはZ1と並べて展示するほどの力の入れようでした。私はそっちのZ1に付いてる集合管が欲しいです。
CB400fourのTMR+ヨシムラ集合がついたエンジンはファンでなくとも垂涎の芸術品…。集合管は手曲げのような曲線ですが、「手曲げ風」の機械曲げだそうです(間違ってたらすいません)。
カワサキブースももちろんZ900RSが前面に展示されており、派生車種のCafeは初めて実物を見ることができました。まずはビキニカウルに目が行きますが、タンクからサイドカバーへの流れが変わっていたり、シングルシートからテールカウルも変更、ハンドルも低いものがマウントされ、ノーマルでカスタム車両のような雰囲気です。ライムグリーンは私には派手に感じてしまうので、もう少し落ち着いたカラーリングが出てくれることを期待しています(買えないけど)。
以前、宇都宮のカワサキPLAZAへ見に行ったZ900RS、その時は試乗車両が無くて跨ることができませんでしたので順番待ちして跨ってきました。
KAWASAKI PLAZA宇都宮でZ900RSの実車見学 | Scientist on the motor
全体像を見ると腰高でマッチョなイメージがありましたが、いざ跨ってみると足つきはかなり良かったです(身長170cm男性)。流石にボリュームのあるタンクもシート側は深くえぐれていて、乗車位置の部分はスリムになっていました。
自然に手を伸ばしたところに用意されているハンドルも自然なポジションで、ワインディングから長距離までオールマイティに楽しめそうな乗車姿勢になります。驚いたのがクラッチの軽さ…。現行CBR250RRでレースに参加している友人曰く「現行車はこんなもんじゃない?」との事でしたが、50年近く前の車両を乗り回している身としては軽くカルチャーショックでした。さらに車重は210kg台という事ですから、まさにZの系譜を継いだ最新スペックの車両です。
というわけで一斉に勢いに乗ったZ祭の様相を呈した今回のモーターサイクルショー、果てはJAFブースにまでZが展示されていました。いちZファンとしてこの盛り上がりは嬉しい限りでしたが、やはりそのお祭りの対象層は中高年のベテラン勢であるように感じられました。もちろん若いZファンにとっても嬉しい事でしょうし、現代に名車が復活することは彼らにもいいニュースなはずです。
ただ、これからユーザーの減少が加速するであろうオートバイ業界全体として考えると、エントリーユーザー向けのライトなモデルの重要性は高いはずです。ここ数年で盛り上がったクォーターレプリカブームも倒立フォーク、ABSと装備が豪華になり、気軽に買える値段ではなくなってきました。
ボリュームゾーンであるベテラン勢へアピールする事はビジネスとして正しいと思っていますが、それに頼りすぎては昨今の旧車ブーム同様に、あと10数年でバブル崩壊になってしまうのではないかと思っています。
当然ながら各社エントリーモデルは準備されていて、エントリーユーザへのアプローチも活発に行われていました。しかし会場全体がZを推している雰囲気は嬉しいながらも少々異様にも感じられ、今後の国内オートバイ市場はどうなっていくのだろうか、そんな事を考えながら他の車輌も見ていくことにしました。
長くなりそうなのでその(2)に続きます。