9:00 群馬県高崎市
昨晩高崎で迎えてくれたX君と安居酒屋に転がり込んだまでは良かったのですが、乾いた身体が水分を要求するのか水のように吸収される生ビール…。気がついたら2人で15杯を空けてしまい、数十センチにも伸びたレシートは安居酒屋の会計額ではありませんでした。自転車ツーリングは身体に良くてお金がかからないはずなのに何もかもパーです!
そんな翌朝もごらんの快晴です!朝から頭痛いだとか気持ち悪いとか言っているX君を引きずり出して今日も元気に走りましょう。
その(1)はこちら:
Raleigh CLSで行く群馬ツーリング(1) | Scientist on the motor
元々この日は高崎から国道17号三国街道を北上して、渋川にあるもつ煮の名店「永井食堂」を目指す予定でしたが、残念ながら連休中は改装工事中でお休みでした。
そこで宿泊した高崎駅前から東に進み、井野川、烏川、利根川、広瀬川堤防上をつなぐ「高崎伊勢崎自転車道」をメインに、群馬県伊勢崎市方面を目指して走ることにしました。
井野川沿いを走ると「群馬の森」という公園内に入っていきます。とても綺麗に整備されていて気持ちよく走れる道でした。ただ、公園利用者の方もたくさんいるのと、カーブが多いのでスピードは控えめにしましょう。
先程までの不調もどこ吹く風で走っていくX君、彼らしいクラシックランドナーはデモンタブルフレームだそうです。どこからそういう凄いのを見つけてくるんでしょうか?
道中にはこのような案内板もあり、各地点間の距離も示されていました。こういうものがあるだけでも安心して走れます。このルートに従うのであれば、利根川から広瀬川沿いに北上して伊勢崎市に向かうルートになるようですが、ちょっと遠回りになってしまうので坂東大橋を渡って伊勢崎市内に入ることにしました。
神流川に到達する頃には初夏の陽気に汗ダラダラ、お腹も減ってきました。通常こういう時はローカルで美味しいものを調べて…となるはずですが、自転車の時は質より手軽さと量、ということで某牛丼チェーンで満タン補給となりました。
12:30 伊勢崎市に着きました
昼食はエネルギー補給を優先してしまった我々ですが、その後の道草には余念がありませんでした。X君の案内でいい感じの駄菓子屋さんに到着。ここ伊勢崎市ではもんじゃを食べることができる駄菓子屋さんがいくつかあるそうで、そのひとつがこちらのお店です。
群馬でもんじゃ焼きのイメージはありませんでしたが、伊勢崎市は名物としているようです。富士宮焼きそばも駄菓子屋さんで食べたことがありますのでそんなイメージでしょうか。
残念ながらこのタイミングではもんじゃ焼きを食べることができなかったので、懐かしい駄菓子を買い込んで次の道草スポットへ移動しました。
昼にあれだけ食べたと言うのにもう小腹が空いたのでおやつに上州名物焼きまんじゅうをいただきました。ビンのコーラだけでなく、店内の雰囲気も店員さんの対応も小学校の近くにあるような駄菓子屋そのもので、ノスタルジックの塊でした。
「町田饅頭店」というこちらのお店はWebにもオフィシャルな情報のない、地元の人向けのお店でした。こういう観光スポット化していないお店を回れるのは地元の人の案内があってこそですね。
大田藪塚石切場跡
伊勢崎市からさらに東に進んでやってきたのが藪塚温泉の先にある石切場跡です。この時点ではどこの田舎にでもありそうな雑木林の雰囲気ですが…
一歩足を踏み入れると別世界でした。RPG的にはストーリーの進行により特定の条件を満すと重要なイベントが発生するスポットのような、ファンタジー感ある荘厳さです。
結構近くまで入れました。一見すると栃木の大谷石と同じような種類に見えました。設置されていた案内板によると、軽石凝灰岩とありましたので大谷石と同じものですね。ただ大谷石に比較してその質や採石コストが不利だったようで、終戦後に閉山となったそうです。
大谷石の採石場はその規模の大きさもあってすっかり観光スポットになっておりますが、こちらは目立った宣伝もなく、知る人ぞ知るマニアックな場所になっているようです。
たまたま居合わせた方を一緒に撮ってしまった写真があったので、こちらでスケール感が伝わるかと思います。大谷石の採石場同様、垂直に切り立った壁が異世界を感じさせます。太田から桐生方面を結ぶ東武桐生線はこの藪塚石を運搬するために敷かれた鉄道という話もあったので、全盛期には一大産業だったのでしょう。
自転車で駄菓子屋を巡って、雑木林で遊ぶという少年時代を思わせる連休も、齢30にもなると運動不足の足腰を襲いますし、初夏の陽気で汗ダラダラになった風体も少年時代のそれではありません。
というわけで、石切場の近くにある藪塚温泉の日帰り温泉へ緊急ピットインしました。風呂上がりの休憩場で横になると、このままここに宿泊したい気持ちでいっぱいになりましたが、明日は明日の遊びがあるのでそうも言ってられません。さあここから気合い入れて高崎まで…
電車で帰ることにしました。ちょっとだけ漕いで、最寄りのJR両毛線 岩宿駅に到着。
一年前の輪行ではフロントタイヤだけの分解でパンパンになってしまったので、今回は後輪もエンド金具を購入して外しました。
去年よりは一回り小さくできましたが、それでもまだ大きいですね。やっぱりフォーク抜きを練習する必要がありそうです。
一方のX君はデモンタブルフレームなので、大きめのズタ袋を2つ用意して収納していました。ケーブル類の扱いが少し面倒そうですが、コンパクトさは断然上ですね。
その昔大変お世話になった懐かしのかぼちゃ電車で高崎へ向かいました。
この日の走行距離は約60kmでした。途中道草食いながらのんびり走るには丁度いい距離だったと思います。
よく自転車競技では先行車の後ろにぴったり付いて走ることで空気抵抗を減らし、体力を節約できるという記述を目にしていましたが、実際に試してみるととても効果がある事がわかりました。特に体力が残り少なくなった最後の駅までの行程では身をもって感じることができました。
のんびりとした両毛線で高崎到着後はX君の自家用車で関越道を快走しました!これが自転車旅行の良いところですね(言い訳)。2日間で約200kmの走行は去年を上回る距離となりました。うまくルートと輪行を組んでいけば、オートバイと同等以上に色んな所を旅できる気がしています。
あとはリアに振り分けバッグを着けて、フォーク抜き輪行をマスターすればキャンプすら可能になるかもしれません。見た目の格好良さから足を突っ込んだ自転車旅行も進めば進むほど楽しみが広がっていくようです。
お金もかからなそうだし、何かの事情でオートバイに乗れないような事になったら自転車にどっぷり浸かるのも有りですね。それはそれで、あれこれ手を出したり2台3台と増えていきそうな気もしますが…