W1SAと走る春の栃木〜さいたま

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北関東部品交換会への道中、夜明け前から駆けた東北道の空気は春の丸みを帯びながらも目がさめるような寒さでした。久しぶりにかじかんだ手でクラッチを切り、立ち止まった農道は差す朝日と澄んだ空気が心地良い、身も心も清められる至福の時間でした。

 

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部品交換会会場を後にして、用事を済ませる為に生まれ育った隣町に足を運びました。引き締まった朝の空気は気温の上昇と共に柔らかく香る一方で、陽射は4月とは思えないほどの陽気となり、今すぐ革ジャンを脱ぎ捨てたいほどでした。こんなのどかな風景にも溶け込むW1SAはやはり日本の古き良きスタンダードだなと思います。

 

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わざわざ遠回りして立ち寄った懐かしい駄菓子屋さんは辛うじて25年前の姿を保ちながらも、あの頃のような活気はありませんでした。今の小学生は駄菓子屋で遊ばないのかな?

平成の終わりに昭和のバイクに乗って、平成の始まった頃を追いかける。そう考えると変な感覚ですが、これがあの頃の私にとっての未来になったんですね。

 

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懐かしい農道を繋いで最寄りICから東北道を走り、同世代エンスージアストであるZさんの基地にお邪魔してきました。他車種のコミュニティからSNSを経て知り合った方ですが、噂に違わぬとんでもないガレージでした…。これじゃあ通りすがりのおばあちゃんに原付の修理を頼まれても仕方ないですよ。

 

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そんな趣味人なら誰もが憧れる夢のようなガレージでWさんと合流し、ひとしきり駄弁ったあとはZさん行きつけのライダース定食屋でお腹もいっぱいになりました。値段とクオリティと量のバランスがおかしくて、同級生の家にご飯食べにきたような雰囲気が素敵でした。

 

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食後は住宅街のお菓子屋さんでちょっと早めのかき氷。このお店も行きつけのようで、挨拶がわりに「今日は違うの乗ってきたの?」とお店のご主人。店先のテーブルには子供連れのお客さんで賑わい、地元の方に愛されているのがよくわかりました。

自然豊かで懐かしい北関東も魅力的ですが、都市部の素敵な人に囲まれた環境で夢のガレージライフというのも羨ましい限りです。筋金入りのエンスージアストは地元を愛する優れた案内人でもありました。やはり良い環境も、良い人間関係もその人次第なのかもしれませんね。

 

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