日本の北端を駆け抜ける北海道ツーリング 3日目 (稚内~旭川)

8月10日 AM5:00

良い気分でテントに潜り込んだ翌朝、おはようございます。キャンプ場のゴミに集ったカラスの鳴き声に腹を立てて目が覚めました北海道3日目でございます。時計見たらまだ5:00とかで、Oさんを起こすわけにいかないし、でも目も覚めちゃったし、というわけでセイコーマートにコーヒーを買いに出かけました。

稚内公園は稚内市を見下ろせる山の上にあります。道理で昨晩は霧が酷かった。この時も若干モヤッとしてますが、雲の隙間から光が差す良き朝でございました。

稚内市内はセイコーマートだらけ!1km間隔くらいで建ってる。セブンイレブン?なにそれおいしいの?ドリップコーヒーパックを買ったらちょっとだけ市内をバイクでプラプラ。

稚内駅前。やだ・・この看板、日本語と英語表記の下にロシア語が書いてある。全く読めない言葉ってなんかちょっと怖いですよね。ハングルとか、アラビア文字的なのとか。

かの有名な北防波堤ドームは稚内からすぐ。
そもそもは稚内と樺太を繋ぐ連絡線乗り場の為のものだったそうですね。
ここだけいきなりヨーロッパ風な建物になるから存在感ありまくり。

中は北海道ツアラーの方々の野宿場のようです。
稚内公園までの急斜面を登るのが辛い自転車ツアラーの人はこっちのが良いのかもしれないですね。
(公認野宿スポットってわけじゃないだろうから、歓迎されたものじゃないかもしれませんが)

街中プラプラして、キャンプ場でコーヒー飲んだらさっさと撤収。
今日は最北端を目指し、オホーツク海側を走ります。

稚内〜宗谷岬〜エサヌカ線

とはいえ、コーヒーしか飲んでないのでお腹が空くのです。
朝食は昨日の夕方食べそびれたウニ丼を食べに行きます。

「無敵の生うに丼」は北海道ツアラーの名物になっているようで、なるほど看板のマスコットは見たことありますね。店内は全国からやってきた旅人の書いた一言が壁から天井まで貼ってありました。

んで、肝心のウニ丼ですが

多すぎワロタ・・・朝からとんでもないモン注文しちまったぜ・・・。
ウニって一気に量食べると意外と重たいんですね。こってりしてるというか。
飽きるほどウニ食いたい!って時は良いかもしれません。

気になるお値段は時価=3700円でした。高いか安いか、賛否分かれるところだと思いますが、折角来た記念ですから、そんなケチらなくてもね!(という旅情が支える良い商売だと思います)

まさかウニの食い過ぎで朝から腹がパンパンになるとは。
一行は海沿いの国道238号線で宗谷岬を目指します。

実はこの日を最後にこの夏の北海道は天気が下り坂でありまして、この時走っている宗谷エリアもどんより重い雲に覆われていました。それでも信号のない広い国道は相変わらずで、バカみたいにスケールの大きい景色が次々に非日常を連れてきてくれます。

宗谷岬までは素直に海沿いのこの国道を走っていれば着くのですが、地図を見るとその手前に山道と牧場があるとの表記。遠回りにもならないので寄り道しましょう。

この国の北端がすぐそことは思えないような広大な牧草地でした。「宗谷岬牧場」だそうです。アップダウンを繰り返しながら緑の絨毯の間を快走できるので、シーサイドラインに食傷気味な時はこちらに逸れるのも良いかも。

牧場エリアを下ると、宗谷岬は目の前でした。駐輪場にはバイクがいっぱい!

ついたよーー!

ついたぞーー!

写真の水平がとれていないのは近くにいたカップルに撮影をお願いしたためです。
ってか、このモニュメントの前で記念撮影したい人が列作ってんのね・・・。僕はこういう列に並ぶのが結構苦手なのでスルーする気満々だったのですが、折角の初宗谷岬ですしね。

この海の向こうは違う国なんだね・・・。とか思ったけどそれは茨城の海でも同じなわけで、着いてしまったら意外とありがたみが落ち着いてしまった宗谷岬。この公園の横には「最北端給油証明書」をくれるガソリンスタンドがあります。記念とか別にしてもそろそろ給油しないとやばかったので給油。証明書の他に貝殻で作った交通安全のお守りも貰えます。こういうちょっとしたサービスって記憶に残るんですよね。

宗谷岬の後はまたシーサイドラインをトコトコ走ります。

ここからはオホーツク海側を走ることになります。時より吹き付ける北よりの乾いた冷たい風がとても夏とは思えない・・・。出発前ネットで情報収集した限りでも、数年に一度は真冬装備でも太刀打ちできないような過酷な天候に遭遇することがあるとか・・・。恐ろしや北の大地。

国道238号オホーツクラインを浜猿払あたりで海沿いに逸れると、これまた名所のエサヌカ線。

なんにもないよ!道しかない!
バカみたいな景色に思わずヘルメットの中で笑っちゃいます。

こんな事したくなるくらい開放的です。交通量もたまーにクルマが来るくらい。

あきれるほど一直線な道は、これまでの常識と価値観を簡単に壊してくれるお金のかからない一級スポットでした。

エサヌカ線を後にすると、また238号線でオホーツク海岸線を走ります。信号のない一本道。前には法定速度遵守のトラック。となればだんだん眠くなってくるのです・・・。嗚呼そろそろ休憩しないとマズいかな・・・と進入したトンネルが冷蔵庫みたいにキンキンに寒くて一気に目が覚めました。海から吹く風も、夏っぽい湿った生暖かい風だったり、乾いた冷たい風が吹いたりと、やっぱり温帯の本州とはどこか違う空気でした。

それでも慣れればまた眠くなる・・・

ウスタイベ千畳岩で休憩。
観光客用パネルに真冬の写真がありましたが、相当雪深いようです。

失礼を承知で書きますが、この道路沿いほとんど何もないのです。殺風景ってこういう事を言うんだなって思わせるくらい何もない。町並みが見えると「町だ!」って言いたくなるくらい。それでも住んでる人はたくさんいるわけで、前後10km近く何もないのに道路脇を自転車で走る少年集団がいたり。こうやっていろんな土地があって、いろんな人が住んでて。
こういうちょっと退屈な道を走ってる時に、「もしこの土地に自分が引っ越してきたら」とか妄想するのが結構好きなのです。

などとガラにもない事を考えていると、東の空、海の上に明らかな雨雲発見。北海道を走っていて驚いたことの一つなのですが、どこに行っても大体視界が開けているので遠くにある雨雲が目視で確認できるのです。

「アレ、もしかしてこっち流れてくるのかな・・・」

予想的中。バケツをひっくり返したような本降りになる前に「道の駅 おうむ」に逃げ込みました。
次々と避難してくるツーリングバイクの数々w 流石にこの降り方じゃあ気合いで走るってのも無理。

名物と言うことで、お昼はあったかい「ダッタンそば」を頂きました(写真失念)。
長テーブルで食べてたら同じテーブルで町内会の会議が始まってんの。邪魔にならないように退散しました。

ヒマワリ畑からここまでずっと旅路を共にしてきたOTKさんとも、紋別の交差点でお別れ。彼はこの先網走方面へ向かうそうです。僕は進路を西にとって、旭川の街を目指します。彼の住まいは都内だそうなので、帰ったらまたどっか出かけよう!と約束をして分かれました。

出会いあれば別れあり、ではありますが、急に一人になった北海道はちょっと寂しい。
そしてそんな気分に拍車をかけるほど、ほとんど人家のない国道・・・。

見渡して目に入るのは空、でかい積乱雲、山、バカでかいトウモロコシ畑、朽ちたサイロや牧場施設、牛。
道路を走るのはこの辺の住人の足になっているであろう路線バスと、濃厚な香りを放つ牛糞運搬車。
特に面白いものもないからなのか、僕以外に走るバイクの姿も無し。

何度も言うように何もない寂しい田園風景が延々と続く、気が狂いそうな道でしたが、こうして思い返してみると妙に記憶に残っているのです。ひょっとしたら良い道を走ってしまったのかもしれない。

そのまま国道273号で滝上町、上川町、愛山上川ICから旭川紋別道で旭川市内へ。
一気に都市部に入ると同時に、妙な安心感と残念感。とはいえ一っ子一人いない土地にテントを張るほどのタフネスは持ち合わせておりません。

駅前の予約した東横インに着く頃にはパラパラと雨が降りだしておりました。
翌日からは全道的に雨の予報。走るか、やりすごすか・・・。

博多の一風堂もそうでしたが、下調べが甘すぎると、折角来たのにこうやって有名チェーンの暖簾をくぐる羽目になります。店内に日本人の客は僕くらいでした。ほとんど中国・韓国人。

コンビニでビールと小説買って宿に帰りました。ラーメンの味は覚えてない。

北海道走行2日目 稚内〜旭川 行程図

記録がないので正確な走行距離がわかりませんが、大体一日400kmくらい走っています。