7日目 8月19日(金)
函館駅前の東横インにて起床。この日は7:40発の青森行きフェリーに乗らなければならないので、ダラダラせずに出発。実はホテルの横に朝市が並んでいたことに気付いたんだけど、もう時間に余裕がなかったのでスルーしてしまいました。まあ海鮮も飽きて来たところですしね(嘘) でもラッキーピエロにハセガワストアも行きたかったです。
少々迷いながらフェリーターミナルに到着すると、そこには見慣れたW650が…。去年北海道で知り合ったO君でした。僕が本州に帰る日あたりに渡道するかもという話は聞いていましたが、まさかこんなところで会うとは偶然って怖いですね。彼がこれから向かう北海道の天気は良い事でしょう。これが日頃の行いの差…
去年の様子:
憧れの大地に立つ 北海道ツーリング 1日目~2日目 (川崎~小樽~稚内) | Scientist on the motor
さようなら北海道
立ち話してる間に出港時間ギリギリになってしまったので急いで車両甲板へ。連日の雨走行でリア周りはドロドロですね。乗船手続きは機械にバーコードをかざすだけで非常にスピーディーでした。
小綺麗なフェリーターミナル。写真右手に停まっているのが「ナッチャンWorld」っていう高速船。運賃が高くて諦めました。
さようなら北海道。これを書いている現在、早くも来年夏の北海道行きが浮上しています…。
ってか北海道とお別れした今頃になってすげーいい天気なんですけど。これから渡道する人達が羨ましくてゲロ吐きそう。
青森県に入りました
てなわけで2等客室で暴れ回るキッズ達との4時間の船旅も終わり、快晴の青森へ。街中で洗濯、給油、昼食の三つをこなすつもりが、メシは何が名物か思いつかず、ガソリンスタンドで聞いたコインランドリーの場所はちょっと遠かったためそのまま東北道に乗ってしまいました。本当は十和田とか行きたかったけど、また無理してスケジュール詰めるとロクな事にならないのでやめておきました。
澄んだ空気と夏の日差しが眩しい東北道を鹿角八幡平ICで降りて、山間を走る国道を八幡平方面へ。もちろんこの間もコインランドリーとかないかな~なんて探しながら走ってるんだけど、驚くほど何もない。地元栃木の田舎も似たようなもんですけどね…。
八幡平アスピーテライン
くたびれた看板を目印に急勾配を一気に駆け上がる。標高の上昇とともに、ただでさえひんやりとしていた東北の空気が急に冷たくなります。
道は良くある高原有料道路同様、良く整備されていて非常に走りやすかったです。良いのか悪いのか観光客もまばらで、気持ちのいいペースで満喫できました。
頂上のレストハウスより秋田側。有料の駐車場と、綺麗な売店食堂を構えているわりにはイマイチ活気がないように感じましたが、中高年の登山客を乗せた観光バスには人気のスポットのようです。
こちらは岩手側(のはず)。あまり開けた景色は期待できない立地ですね…。
というわけで岩手県側にあるキャンプ場に向かいましょう。
と、キャンプ場に向かう途中で巨大な廃墟を発見。
松尾鉱山 – Wikipedia
頂上から眺めた時にもちょっと気になってたけど、近づいてみるとものすごい存在感で立ち入ったわけでもないのに不気味でした。また廃墟に近づくと目隠しみたいにスノーシェッドで見えなくなるあたりもなんだかアレですけど、廃墟好きな方には堪らないのでしょうね…(僕は怖いので無理)。
キャンプ場はアスピーテラインの終点からちょっと入ったところにあるはずなので、辿り着いた集落から再び山の中へ。「ちょっと離れたあたりに」あるはずのキャンプ場は山道を2,30分も駆け上がったところにようやく看板がありました。そして静かな温泉宿が三件。周りは鬱蒼とした森林。コナン君がいたら麓の町と連絡が取れなくなるレベル。
というかキャンプ場がどこにあるか見当もつかないので、一軒の宿に尋ねてみるとその宿が受付で、キャンプ場はそこから発電所の脇を通り、川を渡って山を登ったところにあるとの事…。どんだけ人里離れたキャンプ場なのよ。
県営松川キャンプ場
薄暗くて細い山道を登ってやっと着きました。新しそうですが、なんだか使われてる気配のない管理棟。
サクッと設営。
が、
まさかの貸し切り状態…。こんな薄暗い山の中で1人キャンプ…ってのも悪くないね!今夜は大自然を独り占め!てな感じに切り替えて、食材を調達すべく麓まで下山しようと走りはじめて間もなく目の前を横切る黒くてデカイ動物!
ギャアアアアアアアアアアア熊ダアアアアアアアア!!!!!!!
とヘルメットの中で声にならない叫びを上げる僕を一瞥し、彼は何の問題もなかったようにのっそのっそと森の中に入って行きましたが、いきなり野生の熊なんて遭遇したもんだから俺がやばい。やばいやばい。前の晩にテレビで三毛別羆事件なんて見ちゃったもんだからさらにやばい。
参考:
三毛別羆事件 – Wikipedia(閲覧注意)
小一時間かけて麓の国道沿いにあるコンビニまで到着。情報を整理しつつ今後の対策を考える。
・とりあえずあのキャンプ場で晩飯を食うのはやめよう
・ってか熊出るようなキャンプ場に1人とかやばくね
・盛岡まで南下すればネカフェがある…
・でもネカフェ泊まったら明日わざわざテントたたみにくるの?めんどさくね?
・親切に案内してくれた管理人さんになんて言おう・・・熊怖いですってかw
・でももうお金払ったわけだし、黙って撤収しても大丈夫・・・でもそれはなんか嫌だな
とりあえず国道沿いで夕食を済まそうと適当な食事処を探すも、ちょっと入りにくいお店が多い…。ってか目立つ店がファミマとしまむらとコメリとマックスバリューしかない。僕の地元と良い勝負。
というわけでマックスバリューで買った総菜弁当を、奇跡的に見つけたコインランドリーで洗濯しながら食べる事にしました。単純なもんで、お腹が膨れると若干楽観的になりまして、「あれから結構時間経ったし、キャンプ場戻ったら他に客がいるかもしれない」などと訳の分からない期待を胸に、明かり一つない山道を駆け上がりました。
が、予想通りキャンプ場に人の影は見られず…。入浴ついでに温泉宿のオヤジさんに相談してみる事に。
俺『この辺って熊とかでるんすかね』
オヤジさん「でないよ」
俺『・・・そうすか』
オヤジさん「・・・もしかして、見ちゃったの?」
俺『!?』
オヤジさんの話によると、この辺に出る熊は近くを流れる川に水を飲みにくるのが目的で、通り道はだいたい決まっているのだそう(実際、僕が目撃した場所をオヤジさんはほぼ当てた)。夏は食べ物が豊富だし、基本的にツキノワグマは人に危害を与えない(ただし意図せずとも人間が驚かせてしまった場合は除く)。そして今まであのキャンプ場に熊が出たことはない(ただし周辺に糞の目撃は有り)。
なるほど・・・しかし・・・
俺『でも一人だしやっぱ怖いっす』
オヤジさん「じゃあ管理棟で寝ていいよw」
というわけで、人の気配ゼロのキャンプ場管理棟にて光に集まった虫が立てる物音にビクビクしながら、なかなか寝付けない夜は更けて行くのでありました…。人里離れたキャンプ場を楽しむにはまだまだ経験値とレベルが足りなかったようです。
この日の走行距離:268km