レンタルバイクで耐久レース at 筑波サーキット1000

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学生時代の悪友達と結成したレーシングチーム「青嵐レーシングファミリー」のデビュー戦に参加してきました。

参加するのは青木琢磨氏が主宰するTakuma GPのレンタルバイク耐久レースである「レン耐」。HONDA APE100、またはGROMをレンタルして、90分、または4時間の耐久レースをするというものです。まずは90分でいいんじゃない?と思いもしたのですが、エントリーフィーを比較すると4時間の方がたくさん走れてお得感があることに気付いてしまいました。あとは同じような思考回路の連中を4人集めて申し込みです。

Let’s レン耐!

 

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前日夜は地元のH.Wくん宅に前泊(イニシャルにするとHonda Wingみたいでカッコいいですね)、前泊といえば宴会です。「うーん、若干飲みすぎたな」と横たわる彼を見届けてからWorld Super Bikeの録画を見て士気を高めました。

 

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翌朝、頭が痛いと訴えるH.Wをハイエースに押し込み、登る朝日に向かって国道を走る事1時間強、筑波サーキットコース1000に到着しました。早朝のサーキットは緊張感と清々しさが混ざって何とも言えない雰囲気があります。しかも今日は自分が走るわけですから、いつものお手伝いとは違うわけです。サーキット走行の経験は何度かありますが、競技は初めてになります。

 

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この日お世話になるであろうレンタル車体の方々です。我々のエントリーNo.は30だから…

 

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きっとこの車体ですね!他の車体に比べてタイヤが減っている気もしますが、気のせいでしょう。

 

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ひと手間ありながらも受付を済ませて、まず私が7:00~の初心者講習を受講しました。一般的なサーキットのルールやフラッグの説明かなと予想していたのですが、レンタル車体特有の情報もあり、レース慣れしていてもこのイベントに初参加であれば聴くべき内容が多かったです。

次に先導付きでサーキット内をゆっくり走りました。このサイズのオートバイは初めてな上、友人に譲ってもらったレーシング装備一式を身に付けての乗車も初めてでしたのでポジション慣れするまで違和感がありましたが、エンジンのフケや、ミッションの操作感は問題無さそうでした。不安なところは前後のドラムブレーキがほとんど効かないことでしょうか…

 

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寝坊したメンバーも揃った頃にブリーフィングが開始になりました。この時に周知されたのが、このレンタル耐久レースでの特別ルールで、レースでは当たり前のものから、こんなルールあるの!?と驚くようなものまで、合計十数個に及ぶ細かな取り決めがありました。

例えば「ピンクのビブを着けた女性ライダーに接近して驚かせたり、転倒のきっかけを作った場合は即失格」など…。単調なレースにならないようにゲーム性を付与するような個性的なルールが設けられているのだと思いますが、初参加でこれらを全て把握して走るには気を抜いてはいられません。

 

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メンバー全員での完熟走行の後、正午に合わせて4時間耐久が開始になりました。なんとスタートはル・マン式です。第2走者が支えるマシンに第1走者がコース反対側から駆け寄って跨りスタートすることになるのですが、この日は我々の出走するAPE 100クラスの他にレンタルGROMクラス、上級GROMクラスの3クラス、合計37台が混走する事になりました。

 

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スタートで団子になったら危なそう…と心配する必要もなく、エントリー番号からほぼ最後尾のスタートとなりました。第1走者のS.Aは規格外の体型に合うレンタルツナギが無く、窮屈なサイズに縛られて車体の上で姿勢を変えることができなかったようです。仕方ないとはいえ、周りのレーシーな姿勢に対してこの上ないお散歩バイク感が嫌が応でも和やかな雰囲気を出してしまいます。

 

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全員で笑いを堪えていると、S.Aが数周で帰ってきてしまいました。あれ?笑ってるのバレた?訳ではないようで、我々の見えないところで他の選手と軽い接触があったらしく、心配で帰ってきたとのこと。さっきまでゲラゲラ笑ってたピットは大慌てで第2走者のS.Oを送り出しました。

 

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「最近燃える事が見つかんねーんだよ」と言っていた元峠小僧のS.Oにとって、ミニバイクレースはうってつけの着火剤だったようです。マージンを取りながらもアグレッシブに攻めて、この日のクラスfastestにコンマ数秒まで迫るラップを叩き出していました。

 

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血走った目で帰ってきたS.Oからバトンを受け取ったのは第3走者の私でした。初心者講習でエンジンのフケもギアの入りも悪くない事は確認していたので、あとは慌てずに安全第一で周回を重ねるのみ。

のつもりでしたが、コースインすると教習所のような速度だった初心者講習とは訳が違いました。今になって考えれば当たり前なのですが、本番前にレーシングスピードでの走行をするべきだったのです…。

結局この日1度目の走行はマシンとレースに慣れるだけに費やす事になってしまい、お散歩バイクのS.Aにも「おめえも俺の事言えねーじゃねーか!」と言われる始末…。モータースポーツをかじり始めた者の端くれとしてこのままでは終われません。

 

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第4走者の大将H.Wは二日酔いもすっかり冷めたようで、彼らしい冷静なペースを保ちつつ、車体に探りを入れてくれているようでした。そんな中でバイクから受け取る情報を言語化してくれる事はメンバーにとって有意義な事でした。

とにかくフロントの剛性の弱さとブレーキの効かなさに注意が必要、という暫定的な結論に達したものの、現時点での私に必要なのはもっと初歩的な事です。「身体の力を抜く」「視線をコーナー出口へ向ける」事すら、前の番では思うようにできませんでしたので、ひとつひとつ確認しながらの2回目の出走です。

 

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車体の挙動やブレーキの応答はともかくとして、力を抜いて視線を奥に!1コーナーはノーブレーキで行けるはず、2コーナーは全開で周れるはず…と進んでいくと、今までは抜かれた後に置いていかれてしまったGROM勢に離されずについていく事ができました。が、しかし、タイトな3コーナーのブレーキングでは全く敵わず、そのまま離されていく事になります。

他のAPE勢とも、最終複合コーナーでは離されず、たまには抜く事もできるようになってきました。ラップを重ねる毎に納得できるコーナーが増えていく実感があり、耐久レースの順位云々より、最終的にはチーム内でのラップタイム争いに燃える事になっていきました。

 

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4時間なんて長すぎて大丈夫なのかなと思いましたが、1人20分交代で3ターン走っても、まだ走れるくらいには疲れを忘れて楽しむことができました。結果クラス7位と、あと数週で入賞の6位以内に入れる惜しいポジションですから、初参加にしてはまあまあの出来ではないでしょうか。

 

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30代も中盤になってそれぞれが所帯を持っても、昔の仲間とこうやってオートバイ遊びが楽しめるってとても恵まれていると思います。飽きっぽい連中が多いですから、いつまで熱が続くか分かりませんが、少しの間は賑やかに楽しめる時間が増えそうです。