憧れの大地に立つ 北海道ツーリング 1日目~2日目 (川崎~小樽~稚内)

8月8日 AM0:59

会社での夏祭り(笑)を終えて逃げるように退社。何で土曜に出勤してイカ焼きなんてしなきゃなんねーんだよ。という愚痴りたい一日も、これからのことを考えればどうでも良いこと。「北海道に発つ前の日は遠足前日みたいに眠れない」なんて話は聞いてましたが、僕もご多分に漏れず、ということになりました。

ともあれ出発です。北海道までの往路は、半休を使ってまで予約した8日10:30発 新潟→小樽便。繁忙期なので出発二時間前にはフェリー乗り場に着きたいとして8時着。川崎→新潟 約360kmをのんびりと6~7時間かけるとすれば、眠れる眠れないに関わらず、出発はこんなもんなのかもしれません。

新潟までは無論有料道路をフルに使います。首都高→関越→北陸道で新潟へ。前回の長野キャンプからW650にリアキャリアを搭載したとはいえ、荷物満載の走り出しは少々緊張します。あまりペースを上げずに首都高を抜け、関越三芳PAで休憩。ここまではスムーズ。

しかしながら東北道もそうなんだけど、利根川を越えると空気が変わるのがわかるんだよね。明らかに一段階寒くなるんだよ。藤岡とか高崎とか。北関東道の表示が出る頃にはもう夏の空気なんてどこの話。だんだん肌寒くなってくる。耐えかねて駒寄PAで装備変更:ロンT+革ジャン→ロンT+フリース+革ジャン
ガタガタ震えながらフリースを羽織る姿は四輪ドライバーから見たら間違いなく基地害。

赤城高原SAで暖かいうどんを食べてお腹もガソリンタンクもいっぱい。となるとお約束の睡魔との戦いであります。寒い・・・眠い・・寒い・・・眠い・・眠い・・・関越トンネルへ。・・・トンネルの中・・とっても暖かいナリ・・・。

・・・・・。

間一髪のところで関越トンネルを抜け、元の極寒へ。ヒートテック+ジーパンの下半身が寒さに耐えられなくなったので、ジーパンとヒートテックの間にカッパを装備。煙草とコーヒーとガムでステータス異常を回復。

見上げると夜が明け始めていました。

うろこ雲・・・?って、秋の雲だよね。そりゃ寒いわけだ。

排気音に振り返ると、PAの横をカッ飛んでいく荷物満載のバイク達。負けじと先を急げば、いつの間にか蒸し暑い中越を抜けて新潟市内へ。去年の記憶をたどって佐渡島行きフェリー乗り場へ行きかけたけど、道を調べ直して無事乗船場に到着。

日が昇ってきてクソ暑い・・・群馬の山の中の寒さは一体何だったのか。出港3時間近く前なのに既に数十人並んでました。流石ハイシーズン。

待ち合わせの約束をしていたDUCATI乗りのH.Wと合流。くだらない雑談に花を咲かせていると、乗船開始の案内。

一泊二日 新日本海フェリーの旅

実際に船内に並んでみると結構なバイク台数。かれこれいろんなフェリー会社のフェリー乗ってきたけど、バイクを停めた後に積載の荷物を全部下ろすように指示があったのはこのフェリーが初めて。確かに揺れたら危ないから理屈はわかるんだけど、凄く面倒でした。

大海原へ出港である!最高の天気!
さっきの予期せぬ荷下ろしでカラカラの喉にビールがうまい!
酔いの早さに、寝ていない事を思い出しました。ベッドに戻ってお昼寝。

でもすぐ目が覚めちゃう!ふしぎ!・・・空調があまり効いてなくて暑いのです。
仕方ないので外に出て涼みましょう。

うーむ。潮風が気持ちよい。

デッキには半裸で寝てる人とかいました。そういえば夏に長距離フェリー乗るのは初めてでした。(佐渡とか行きましたけど)

船内はこれまた結構豪華な造り。神戸ー新門司のヤツと同じくらい。無駄に映画館みたいな部屋とかある。「スポーツルーム」みたいのがあったからワクワクしてのぞきに行ったらエアホッケー二台あっただけだった。高校野球観戦したり、ビール飲んだり、ゲーセンでKOF98とかやってたら日が暮れてきた。

「新潟行きの便とすれ違います」なんて律儀な船内放送。しょーがねー他にやることないし写真でも撮るかとやってきましたが、幽霊船みたいな写真になりました。

このフェリー、二等寝台なのにコンセントがないの。廊下にポツポツあるんだけど、勝手知ったベテランなのか、延長コードで華麗に自室に引き込む人多数。コンセント無しはiPhone使いには地獄だぜ。

周りの人は地図やらガイドブックやら広げて入念にルート計画を練っているようでしたが、僕はいつも通りほぼノープラン。とりあえず宗谷岬行けばいいでしょーくらいの事しか考えてない。睡眠導入剤に持ち歩いているクソつまらない小説を読みながら就寝。

・・・・・。

「・・・は、間もなく小樽港に入港致します。お客様はご案内の・・・」

この新潟ー小樽便、小樽に着くのは翌朝の4:30。大体3;00頃に船内放送で起こされた気がする。昼寝もしたけど、なんだか寝れたのか寝れなかったのかよくわからん。

着いたーーー!・・・・・どんより曇り空ですね。

乗船時に下ろす羽目になった荷物を積み直して、下船待ち。
今日も一日宜しくお願いします。

隣のバイクの兄ちゃん、W650じゃないの!
俺『どこいくんすか?』
隣「いやー、北海道初めてなんですよ・・・」
俺『俺もです!とりあえず北に行こうかなとしか考えてませんの!』
隣「俺もですよ〜 どっかで会うかもしれませんね。」

しかし同じバイクなのにキレイにしてるな・・・。錆び無いし・・・。

と言う間に下船開始でござる。

もう!皆さんいい年こいた方ばかりなんですから、意味もなくブォンブォンフカすのはやめてくださいよ!恥ずかしいったらありゃしない!

などと憤慨しながら降り立った北の大地。カラッとしてて涼しい!っていうのイメージしてたんだけど、普通にジメッとしてますね。涼しいけど。

小樽で朝ごはん

とりあえずお腹が空いたので、ツーリングマップルに乗ってた港からほど近い「鱗友朝市」内にある「味さき」へ。市場併設だからだと思いますが、このお店朝の4:00からやってます。4:30に入港して朝飯を食うとなるとこの店以外に考えられないよね。ってくらいのタイミングの良さ。

当然同じ事考えてる人がたくさんいるわけですが・・・。
まだ朝5時過ぎくらいなんですけど。

でもそんな待たずに座れました。僕はウニ・いくら・ほたての乗った「巴丼」を注文。

実はですね、お恥ずかしながら僕まともにウニ食ったこと無かったんですよ・・・。正確にはあるんですけど、初めて食べたウニが生臭くて不味くてこんなもの二度と食うかバカが!!ってなってから食べてなかったのです。

というわけでかなりのブランクをおいてのウニですが、なにこれ美味いんですけど。全然生臭くないし、なんか甘いし。朝からこんなもの食っちゃって良いのかな・・・。いきなり満足な朝食となりました

ここでDUCATI乗りの友人とはお別れすることに。昨夜フェリー内で話し合ったところ、既に三度目の北海道な彼は、道南方面をまわることにしたのでした。初北海道の僕に付き合ってもらったら定番スポット巡りになっちゃうしね。

というわけで1人放たれた初の北海道。やっぱり先ずは北の先っちょでしょ−!
稚内市を目指すことにします。

目指せ稚内!

小樽から稚内って意外と400kmしかないんですね!これは普通にいけるかも。まだ朝の6時くらいだしね。実はちょっとビビって稚内の手前あたりにいいキャンプ場ないかな、なんて探したりもしてたんですが、稚内市内で探せそうです。

というわけで小樽から札幌自動車道へ。札幌なんてバイクで走っても混むし何も面白くないと思うので、高速を使ってスカッとパスします。

高速に乗って気付く微妙な肌寒さ。やはり冬のフル装備を持ってきて正解だったようです。
岩見沢PAで休憩。

あれ?
どっかで見たことあると思ったら、今朝フェリー内で会話した兄ちゃんでした。しばしの立ち話から、彼も社会人2年目(同学年)、気ままに初北海道一人旅を楽しむのナイスガイだということが判明致しました。
僕がこの先旭川まで高速で走り抜けようと考えていることを伝えると、「その手前にひまわり畑があるらしいから見に行こうと思ってる」とのナイス情報を頂きました。そのテの情報を全く持ち合わせていなかった僕にはかなり嬉しい。

というわけで最初の目的地はひまわり畑になりました。

ひまわりの町 北竜町

道央自動車道からちょいと有料道路を走って深川西ICで降りると、もう辺りは畑だらけ。道はバカみたいに幅が広くて真っ直ぐだし、いかにも北海道的な風景が広がってました。朝から曇りがちだった空も晴れてきたし、最高でございます。

そんな道をプラプラ走ってるとひまわり畑に着きました。

おお!立派な!・・・てか広すぎだよここ。

この北竜町、ヒマワリの作付面積日本一なんだそうです。町のあちこちには「ようこそひまわりの里へ!」的な看板がたくさんありました。

ヒマワリ畑は町営公園みたいなところで管理されてて、数ブロックに分かれたヒマワリ畑の周りを遊歩道で繋いでいました。でも広すぎるのでとても歩く気になんてなれません。レンタル自転車があったのですが、店員がいつになっても帰ってこない商売っ気のない状態だったので諦めました。

徒歩も自転車もイヤ!そんな貴方の為に

トラクターが走っていましたw
乗ってみたかったけど結局客は後ろの客車なんだよね(当たり前か)。

贅沢を言うのであればもっとスカッとした青空が良かった!
のですが、数日前は大荒れのお天気だったとのことで、折角咲いたヒマワリが随分倒れてしまったそうで。

広大なヒマワリ畑は開花の時期を少しずつずらすことで、長い期間たくさんの人に楽しんで貰えるようになっている(と勝手に解釈している)のですが、この日は半分くらいはご覧の状態でした。

こちらはヒマワリ迷路だそうで・・・。
そろそろヒマワリがゲシュタルト崩壊してきたので休憩しましょう。

バイクを停めた駐輪場に向かうとさっき高速のPAで立ち話をした兄ちゃんと三度目の遭遇。同じような時間に出てきたから当たり前なんだけど。

『昼どうすんすか?』
「留萌の街に『蛇の目』って寿司屋があって評判良いみたいですよ」

そういえばツーリングマップルにも書いてあったな・・・。流石下調べが完璧である。

そんな彼、北に行くって話してたし、良かったらご一緒にどうでしょう?ってことで、ここから旅路を共にすることに。決して下調べが完璧な賢者をパーティーに加えたかったわけではないぞ!

ニシンと数の子の街 留萌で昼食

ヒマワリの町北竜から日本海側の港町である留萌市へは山の中を走る国道233号で30kmほど。空も晴れの面積が増えてきて清々しい空気。信号がほとんど無いのであっという間でした(信号があるよ!っていう看板があるレベル)。

目的の寿司屋は留萌の街中にありました。

蛇の目寿司

開店ちょっと前だったけど、「大丈夫だよ〜」と通して貰えました。
ありがたやありがたや。朝が早かったからもうお腹空いてるんです。

特上握り 1575円ナリ。朝は海鮮丼、昼は特上握り。何をやっているんだ俺は・・・。

うまい寿司に満足したところで、さて出発・・・と何気なく振り返ったら「千望台→」の看板が目に入った。このネーミング、間違いなく街が見渡せる高台の名前である。穴場スポットのニオイがプンプンするぜ!

なぜ目の前に鉄塔を建てた・・・。
しかしご覧のお天気。気持ちいいなあー。

オロロンライン〜サロベツ原野〜ノシャップ岬〜稚内

留萌からはひたすら海沿いの道。いわゆる「オロロンライン」。「オロロン」とは北海道の西に浮かぶ天売島に住むウミガラスの別名とのこと。信号の無い海岸線をひたすら走ってるとだんだん感覚がおかしくなりそうですが、これも北海道ならではの感覚なんだろうな。すれ違うバイクはみんな手を挙げて挨拶を交わすし、バイク同士だけじゃなくて自転車の人も、一輪車の人もみんなすれ違ったら笑顔で手を振ってくれるし、僕も手を振る。そんなことを留萌〜天塩の100km以上ずっとやってると、なんだか本当に現実なんだか実は夢でも見てるんじゃないかとよくわからなくなってくる。会う人会う人みんな楽しそうに笑ってる。

これが北海道なのか・・・。

途中、苫前、天塩の道の駅で休憩しながら、さらに北に進むとサロベツ原野の脇を走る道道106号へ。

何ここ・・・ひたすら真っ直ぐだし、ガードレールないし、バカでかい風車が一列に並んで回ってるし。勿論、停まって写真をとってる観光客以外に人気など一切無い(湿地と海の間なので当たり前ですが)。天気が良ければ海の向こうに利尻・礼文が見えるらしいのですが、日が暮れてくると共にご覧の曇り空。日頃の行いすなあ。

あまりの人気の無さに不安になってきたので、先に進んでいくと路肩でママチャリのパンクを直している御仁が・・・。そういえばこのバイクもチューブタイヤなのを思い出した。もしこんなところでパンクなんてしたら・・・ガクガクブルブル

そんな余計な想像のせいなのか、曇り空のせいなのか、最果てが近いからなのか、だんだん肌寒くなってきたところで、稚内の手前、ノシャップ岬に着きました。

モノトーンでもないのに薄暗い殺伐とした雰囲気が最果て感を盛り上げてくれます。
いい加減腹減ったんですが、この辺りの食べ物屋さんは徐々に店じまいを始めた様子(17:00)。しょうがないので稚内まで行ってしまう事に。

最北端の街 稚内

最北端駅キターー
桃鉄だと周りは赤マスだらけだった記憶。カニ漁業団の不安定さ。

最北端っていうと人も住めないような厳しい土地をイメージしがちだけど(実に失礼)、そこいらの田舎町よりよっぽど栄えてました。まずは夕食を食う店を探さなければ。駅前をフラフラし始めた3秒後。

なんという俺の店・・・。店主がひとしくんっていうのかな?
名前が同じだったら値引きとかしてくれないかな?

お刺身定食を頂きました。海鮮に関しては普通に出てきたものは全部美味く感じるよね。だって海なし県育ちだもの。店主の名前の件は流石に何も言わず、レジ前のマッチだけもらってきました。(後で調べてみたら、どうやら調理師の人は「ひとし」じゃないようです。)

出会った当時は「稚内まで行くなんて無理だよ!」と行っていた兄さん(以後Oさんとしましょう)も僕に騙されるがまま、ホイホイと稚内まで来てしまったのです。1日400kmなんて余裕でしょ!ところでロングツーリングも、キャンプも初めてというOさん、じゃあどっかキャンプ場探して一緒にキャンプしようぜ!

バイクが同じ上にテントまで同じだった・・・。定番とはいえ、これはちと恥ずかしいものがある。ちなみにキャンプ場は稚内公園 森林公園キャンプ場にしました。ってか、稚内市周辺だとここくらいしかキャンプ場がないのか、かなりの賑わいでした。

風呂はみなとの湯へ。この風呂屋が入ってる稚内副港市場には稚内の歴史とか、樺太の話とかいろいろ展示されてたり、いろいろと地のものがお買い物できる大変楽しそうな施設だったのですが、僕らが行ったときにはもう既に風呂屋以外はほとんど閉店しておりました。肝心の風呂屋はものすごく立派なところで、その快適さにあやうく出られなくなるところでした。こりゃ稚内に来たら風呂はここですな。

キャンプ場への帰り道にセイコーマートで買い物して、夜はテントの前で鮭トバ囓りながら酒盛り。その日に出会った人とキャンプしながら酒を飲むなんて初の北海道にしていきなり楽しいことになりました。

なんだか出来過ぎてるような北海道1日目の夜は終わりの見えないバイク旅談義と共に更けていくのでした。

北海道上陸1日目 小樽〜稚内 行程図

今回、走行距離をきちんと記録していなかったので、大まかな行程図のみのまとめとなります。

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