Throw Up Touring 2019 Day 4 of 4

New photo by Nakatsuhara Hitoshi (naka2#114) / Google Photos

ロングツーリング最終日は毎回この旅が長かったのか短かったのか、よくわからない不思議な気持ちになります。数日とはいえ毎日バイクで走る生活に慣れて、このまま元の生活には戻らないような錯覚に陥りそうになりますが、実際には翌日からまた自宅で家族と寝て起きて通勤するはずです。日常生活から離れてリフレッシュしているはずの旅も、終わりが近づくと離れたはずの日常生活が恋しくなります。

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静かな奈良の山奥から元の生活までの距離は500kmと、決して短い距離ではありませんが、中途半端に浮世離れしてしまった生活からのリハビリにはちょうど良さそうです。

山の中から市街地に出てきたあたりで、大阪に帰るJくんとは早くもお別れ。寂しくて泣き言を言うかと思いきや、今年はそんなことはなかったようです。ここからはXくんと2台で関東へ帰ります。

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せっかく関西に来たんだから観光しないと損ですので、よくSNSで話題になっている「道の駅 針テラス」に寄り道しました。なるほど、高規格道路に隣接して中距離からのアクセスも良好、隣はガソリンスタンド、駐輪場も広く、設備も充実しており、バイクスポット抜きにしても便利な道の駅です。連休も最終日とあって、ツーリングに出かける待ち合わせをしている人が多かったです。

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数多く並ぶ二輪車の中で、明らかに普通じゃない車両がありました。NSU社のスーパーマックスでしょうか。車両自体も非常に珍しいものですが、フロントブレーキのエアスクープ、バックステップにロングタンクと、モディファイが明らかにレース用です。オーナーの方にお話を伺うと、前のオーナーはこの車両でサーキットを走っていたそうで、レーサーの状態で譲り受け、ようやく公道走行できる状態まで仕上がったとのこと。ほんの寄り道のつもりがとんでもないものが拝めました。

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針テラスを出発後、Xくんとは四日市JCTで別れ、残り400kmを一人で走ります。延々と続く高速道路巡行は、通常であれば単純作業以外の何者でもなく、そこに快楽を求めることは難しいものでした。加えて荷物は満載で振動の多い旧車とあればその行程は苦行…の心構えでした。
しかしそんな予想は裏切られ、疲れるどころか走るほどに車両との一体感が増すような感覚をこのW1SAで初めて覚えました。少ない操作で思った通りに操作できるような、意識して操作せずとも車両が勝手に動いてくれるような感覚です。もしかしてサーキット走行を初めたからバイク乗るのが上手くなったのでは??と期待したいところですが、恐らく身体的には疲労しているものの、精神的に充実していたために起きた一種のトリップ状態が関の山でしょう(気をつけましょう)。

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その昔W650であちこち走り回っていたような、バイクが身体の一部になるような感覚。これを先祖のW1SAでも感じることができたのは思わぬお土産になりました。乗れば乗るだけ愛車が応えてくれるのは乗り物趣味人にとってこの上ない幸せであると思います。サーキットを走っても楽しいですが、やはり旅をしてこそのオートバイですね。