2019年 Legend of Classic Rd.2 富士スピードウェイ

一年前にはDGさん、Jくんの手伝いで来ていたLegend of Classic富士スピードウェイにエントラントとして向かうことになってしまいました。人生一年先に何が起きるかわからないものです。

富士スピードウェイといえばかつてはF1も走った国際コースです。通勤中のSuperGT観戦のおかげで大まかなコースレイアウトはイメージできますが、走行経験無しのままレース予選を迎えるわけにはいかないので前日の練習走行枠から参加することとしました。練習枠は土曜日の16:00からなので、いつもお世話になっているホンダアクティを9:00にレンタルし、自宅でW1を積載、朝の混雑がほぐれ始める10時過ぎに東名に乗って御殿場方面へ向かいました。

少し早く着きすぎた富士スピードウェイは夏の陽気でした。タイダウンが緩んでいてヒヤリハット案件ですね。いつもは平地よりひんやりする富士ですらこの気温ですから、下界は酷い暑さだったと思います。高価な練習走行費とは別に入場料1000円を支払ってパドックへ…。サーキット遊びは何をするにもお金がかかります。

時間に余裕を持ちすぎたため、到着したピットは四輪の走行中で使用できません。すみっこに車両を降ろさせてもらって、前日夜までに済ませられなかったゼッケンプレートの取り付け、各所ワイヤリングを済ませました。今回はレースまでの時間と予算に余裕がなく、車検回収後の公道仕様からほとんどの準備を自分で行なっているため、ミスや漏れがないか不安で仕方ないです。

そんな中、まさかのW1師匠が到着?聞けば750SSでエントリーしているGさんのピットクルーとして前日入りしたとの事。今回はピットクルー無しだったので一人で乗り切るつもりでしたが、迷惑にならない程度ならアドバイスもらえるかもしれません?

そんな師匠のひと声で、かの有名な46worksの皆さんと750SSのGさんと同じピットに入ることに…。なかなかこんな機会もなさそうなので、遠慮なくお邪魔しました。速い人と同じピットに入れば自分のタイムも縮むかもしれないですしね。

ふざけたこと言ってないで走行の準備をします。タイヤ空気圧は前回の筑波で合わせたFR:160kPa RE:180kPaからFR:180kPa RE:210kPaに昇圧。テクニカルな筑波よりストレートの長い富士では高めの空気圧が有利ではないかという浅知恵です。プラグはとりあえず7番のまま、スプロケット丁数も18-38のままです。

解放されたピットからは遠いコントロールタワー前に集合後、順次スタートとなりました。まずはサイティングラップのつもりでゆっくり走って、事前にイメージしたコースとの差を埋めることにしました。しかしこの走行枠、30分の中でLOCだけでなくMCFAJの他のクラスも混走するため、広いサーキットとはいえ結構な車両密度です。もちろん私はパッシングされる側ですから抜く側よりは気が楽ですけど、大排気量現行車との速度差には肝を冷やします。

1コーナーは余裕を持ったブレーキングで曲がり、下り傾斜からの3コーナーはスロットルを開けて曲がればそれほど怖くありませんでした。問題は100Rと呼ばれる高速コーナーで、スロットルを開けながら旋回していると前後サスペンションが落ち着いてくれません。前回の筑波練習でも最終コーナーで感じた足回りの不安がはっきりと出てしまいました。

本当はこのレースまでにフロントフォークオイル粘度を上げようと考えていたのですが、後のカーニバルです。仕方がないので練習走行後に予備のエンジンオイルをフォークオイルとして継ぎ足し、油面を上げることで減衰力が改善されることを期待します。

それ以外に現地でやれることは何もなさそうです。練習走行後の夜はパドックに宿泊できるとのことなので、買い出しをしてピット内で夕食になりました。前述した46worksのNさんやHさんをはじめ、なかなか話す機会のなかった人と話せて大変充実したレース前夜になりました。

富士スピードウェイはパドック内にコインシャワーがあって快適でした。

翌朝はW1と750SSの間で起床…。ピットの床は硬いので、次回はマットを持参しようと思いました。続々とエントラントの皆さんが搬入を進め、レースに向けて進行が始まります。今までのピットクルー経験も含めレース進行には大分慣れました。懸案だった車検も無事にパスして、いざ予選コースイン、が、ガソリンを入れ忘れました。一周回った後にピットインしてW1師匠に給油してもらいました…。

肝心の走行について、昨日フォークにオイルを足したおかげでフロントがだいぶ落ち着いた感じがありますが、まだフワフワします。リアサスの減衰は最大なので、これ以上車体側でできることはありません。あとは身体で車体のうねりを抑え込むか、速度を抑えるか…。

ストレートでは置いていかれる、または差が縮められないのですが、100R後のヘアピンやダンロップシケイン後のセクションでは差が縮まるのがわかりました。恐らく皆さんスプロケットのセッティングが高速になっていて、立ち上がりが不利なのかもしれません。いずれにせよ前を走る車両に付いていけるのは嬉しいし楽しいです。タイムは予想より良く、同じW1でエントリーしたNさんの前に出られました。

この「前に出られた」という事自体が初体験で、スタート後、後ろから追ってくるライバル車両がどこにいるのか全然わかりません!ただでさえ車体がフワフワするというのに、心理面もフワフワで走っていると、すぐにNさんにぶち抜かれてしまいました。その後必死で追いかけ、タイトセクションで追いつく→高速コーナーで離される、を繰り返しつつ、最終コーナー立ち上がりラインを変えて辛くもパスできました。

しかしNさんはその後マシントラブルでDNFとのこと(規定周回数から完走扱い)。普通に走ってたらまた抜かれてたんだろうな…。とにかくお互い無事に完走できたことを喜びつつ、また次回熾烈な最下位争いをしようと約束させていただきました。何気に予選から決勝でタイムが5秒も縮まっていたのも嬉しいところです。

決勝当日はプラグをBR7ESからBR8ESに変更し、予選決勝後の焼け色OKでした(サーキットは街乗りより白くてもいいらしい)。2日間通じて悩みのタネだった足回りについて、フロントフォークは昨日よりマシになったものの、やはり100Rでは不安定になってしまいました。身体(テクニック?)で抑えるか、足回りを見直す必要があります。とりあえずフロントフォークオイルは市販品で最も硬いKYBの30番に交換予定としました。一方リアサスはこれ以上減衰力を強くできないので、フロントフォークオイル交換後にバランスが悪くなるようであればサスペンション交換を視野に入れる必要がありそうです。

さらにその先フロントフォークの性能に不満が出たら…なんてことを考えるとまたキリがないので、まずは1つずつ明らかになった課題をクリアしていこうと思います。